ちょっと待った!合併新市名 ②「南セントレア」は空港愛称としても落第だ

<合併新市名論評>
2005-2-25 楠原 佑介

 ②「セントレア」は空港愛称としても落第だ

 セントラル・エアポート→セントレアとは何と愚かな略称か!

*セントレアとは「中部国際空港」の正式名称をCentral Air Portと英訳し、その語尾のPortを切り捨ててCentral Airの部分をCentr-airと略したものだろう。「空港」とはPortに意味があり、airだけなら単なる「空・空気」に過ぎない。日本人は略語製造の名人だが、これはいかにも乱暴過ぎる。

*かつて、分譲集合住宅の意の英語の熟語cooperative-houseをコーポラスcooper-useと約して売り出した業者があったが、こんな珍奇な略語はもう誰も使わない。セントレアの場合は愛称といえども固有名詞だから、定着する可能性は小さくない。だが、それがはたして、喜ぶべきことかどうか。

*セントレアCentr-airを漢字2文字で再訳すれば「中空」か「空中」になるだろうが、飛行機嫌いの私は「~発“中空(空中)”行き」などという飛行機には絶対に乗らない。空港会社の関係者は、英語使いの達人ぞろいだろうから、縁起かつぎや語呂合わせは気にしないのだろうが……。

*このような略語は英語を母語とする国々の習慣にはないはずで、彼らもこの略称は使わないだろう。

*そもそも「中部地方」という地方区分は、明治37年に教科書用に制定された7(8)地方区分の一つで、自然地理・人文地理の双方の観点から、特徴ある地方を教科書用地図帳の1ページないし見開き2べ一ジに納まるよう日本列島の両端から定めてゆき、残った本州中部を(9県という数も多いし面積も広すぎるが)一まとめにして「中部」としたもの。したがって、もしこの「中部地方」を英訳するのなら、Middle Districtとでも称すべきだろう。イングランド中部はMid-landと呼ばれるが、この場合は「内陸の~」という意味合いが含まれているらしく、日本の中部地方には合致しない。ただし日本でも、「中部山岳地帯」と呼ぶ場合には明らかに「内陸の~」という意味合いを匂わせた使い方である。

*欧米には、セントレアに似た発音の地名がいくつかある。西インド諸島のセントルシアSaint Lucia島はイギリス領の火山島で、イギリスでは紛らわしいセントリアはまず使われないだろう。アメリカにはミシシッピ川畔の大都市セントルイスsaint Louisのほかイリノイ州にセントラリアcentraliaという名の小都市があるから、アメリカでもセントリアは使われまい。

*名古屋

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Mar 22, 2005




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