ちょっと待った!合併新市名 ①千葉県「太平洋市」に代案「武佐市」を提案する<合併新市名論評>
①千葉県「太平洋市」に代案「武佐市」を提案する!
今回の合併新市名では隣接する広域自然地名を借用(パクリ)・流用する事例が目立っている。2年前に刊行した『こんな市名はもういらない!』でも指摘しておいたが、自然地名を市名などの行政地名に流用すれば、同じ名で性質が異なる2種の地名が併存することになり、必然的にさまざまな不都合が生じる。何よりも場所特定機能に混乱が生じ、それは時には人命にも関わりかねない事態を発生させかねない。去る1月31日、千葉県成東町・山武町・松尾町・蓮沼村の3町1村の合併協議会が新市名を「太平洋市」と決定したのも同工の類です。私は新市名を聞いた途端、「ギャンブル都市でもつくる気なのか?」と訝った。アメリカ東海岸、ニュージャージー州にAtlantic Cityという名の観光都市がある。観光というよりむしろ、カジノなどギャンブルの町といったほうが通りがよい。Atlantic Cityとは文字通り大西洋に面していることから命名された、いかにも植民国家アメリカ合衆国らしい都市名です。千葉県九十九里浜に面した3町1村の新「太平洋市」はそのひそみに倣って、ギャンブル場を誘致して振興を図ろうとするのか、と直感させるに十分でした。
そうこうしているうち、全国地名保存連盟の新体制で事務局を担当される予定のK氏(別項で述べた住居表示で消された旧町名復活について、新運営委員会の中では小生と意見の相違がない少数派)から「何か対案はないか?」との諮問がありました。早速、手もとの『角川地名大辞典 千葉県』の該当項目を開き、古代郡名の表記と位置関係を確認しようとしたところ、郡名項目よりも先に「武佐国造」の項目のほうが目に飛び込んできました。
国造・県主は、太化の改新、(西暦、645年に、中央集権化される直前まで日本列島各地を支配していた古代在地豪族です。現在でも多くの発展途上国では国民国家以前の部族社会の色彩が色濃いようですが、今から1400年前の日本列島はほぼ同じ状況で、部族ごとに族長が統治していました。彼らは連合王国の中央権力たる大和朝廷とはそれぞれ盟約関係にあり、中央からは国造・県主と呼ばれていました。在地豪族というと何やらおどろおどろしく聞こえますが、今日まで各地に残された前方後円墳ほか古墳時代の大型古墳の被葬者はほとんどこの国造・県主クラスの人物です。
国造・県主は、『魏志倭人伝』に載る対馬国・壱岐国・末廬国・伊都国の名が国造・県主名にもなっている(一部漢字表記は異なる)ことから、もしかしたら優に弥生後期にまで遡る地名だった可能性もある。ちなみにヨーロッパ社会では、イギリスの首都ロンドンはA.D.43年にロー
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