男と男のラブゲーム 自分が小学生のころは先代の引田天候の大掛かりな脱出マジックが大人気であった。トランシーバー握り締めて「応答願います!応答願います!大変です天候さんからの連絡が途絶えました!」と緊張感を煽るレポーターを「事故があったら放送出来るわけ無いやん。」と覚めてみていたイヤな小学生だった私・・・。今じゃマジックはオネエちゃんを口説く小道具みたいな扱い、もしくは楽しいイリュージョンもんだが当時のマジックはちょっとおどろおどろしかった。マジックでなく手品、イリュージョンでなく奇術という縦文字感覚といいますか、適度なインチキ臭さといいますか。そんな手品・奇術の世界の男と男の確執を世紀末ロンドンを舞台に描いた異色作が「プレステージ」。プレステージとはマジックの大オチの意だそうで、いわゆる起こるはずの無い現象が起こって「おお~」「うそ~」とため息が漏れる瞬間のこと。本作の字幕では「偉業」となっていた。元は同門だった二人のマジシャンが本番中の事故で一方の妻が死亡したことで反目しあい、私生活では命を狙いあい舞台上ではお互いのタネを暴露しあうという24時間営業中の抗争劇を繰り広げると言うストーリー。二人のマジックはお互いに瀕死の重傷を負わせあいながらドンドンエスカレート。ついには人間の瞬間移動という大ネタを巡って殺人事件に発展するが・・・。世紀末ロンドンの奇術師と言えば脱出王フィデイーニ(オカルト全盛の当時手品によるオカルト暴きで活躍した)であるが、今作のオチは御伽噺といいますかホラ話といいますか、平たく言うと全然マジックじゃなくてオカルトそのもの。でそのトリックは当時実在のマッドサイエンテイストであるニコラ・テスラの発明品という設定なのだ!面白い思いつきではあるんだがなんせトリックそのものが余りにリアリティが無くて・・・。
女房の恨みで始まったはずの確執が、二人の手品バカのジェラシーのぶつかり合いでエスカレートし女も金もどうでも良くなっていく様子は面白いのであるが、謎解きもんとしてはちょっと物足りないかなあ。今作の監督は「メメント」の衝撃はすっかり遠くなったクリストファー・ノーラン。「バットマン・ビギンズ」に続いて堂々たる演出で安定感バツグンだがこんなに落ち着いてていいのかしら。まテーマ自体は「メメント」に通じるもんがありますが。二人のマジシャンはヒュー・ジャックマンとクリスチャン・ベール。ベールの役者バカな狂気がうまくはまっておりました。で二人の後見人的アシスタント役がマイケル・ケイン。この人出しときゃイギリスっぽいだろというキャステイングではあるがやっぱりいい。二人翻弄されるスカーレット・ヨハンソンやテスラ役のデビッド・ボウイは正直誰でも良いような役でした。
猪木が言うところの「男のジェラシー」についての映画としてみると面白いでしょうか。藤波と長州
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