困ったヒーロー最近のアメコミ映画はどーも主人公が不必要に内省的といいますか、「あれこれと身辺の雑事で悩んだ方が人間的で、観客にとって親しみが湧く」という間違った分析に基づいた困った登場人物が多い気が致します。延々と呑気な痴話喧嘩みたいな内輪もめばかりだった「ファンタスティック4」、死んだ女を愛した二人の中年の心理ドラマになってしまった「X-メン」など、脳ミソは家においてひと時の興奮を求めて映画館に足を運んだはずの人たちを当惑させる映画群。それが行き過ぎて困った昼ドラみたいになってしまった「スーパーマン リターンズ」が最近じゃ失敗作の代表例か。そんな負の連鎖がついに近年のアメコミ映画最高の成功例だった「スパイダーマン」シリーズにまで及んでしまった。「スパイダーマン3」のピーター=スパイダーマンは全編悩みまくり。恋人、家族、友人、職場の人間関係全てがプレッシャーとなりピーターを苛む。そんなピーター発ピーター行きの小さな揉め事が雪ダルマ式にエスカレートして大パニックに見舞われて逃げ惑うニューヨークの市民はホントいい迷惑。昔「ウルトラマンが倒れこんだ建物に住んでる人はどうなるねん!」というお馴染みのツッコミがありましたが、今作は正にピーターが元凶のパニックばかりでヒーローの存在意義自体がおかしくなってるような。これも「悩み苦しむ主人公を盛り込まねば」という方針の結果なら正に本末転倒。自分にとってはアメコミ映画は爽快なホラ話のほうが好みなんですが。サンドマンのエピソードがVFXもキャラクターも良かったので、個人的には今作はここに焦点して欲しかったです。
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