夢の女たち

 私が小学校の頃は、沢田研二や百恵ちゃん、ピンクレディーなんかの歌謡アイドルの全盛期。当時の芸能人は犬猫のようにオメコしては妊娠して行く最近のアイドルとは違う夢の世界の住人でした。ま内幕は今と似たりよったりなんだろうけど夢の内部はキッチリと隠蔽されていたわけです。そんな日本の芸能界のアイドル育成の雛形となったのがアメリカのモータウンレーベル。モータウンはテレビやラジオでのオンエアを前提にプロデューサー主導の下、作曲家・アーティストの分業体制で作られるノベルティヒット(ジャクソン5やシュープリームスが代表例)と平行して、マービン・ゲイやステイービィー・ワンダーなんかの作家性の強い傑作も沢山生んだなかなか一筋縄ではいかない奥深いレーベルでもあります。そんなモータウンをモデルにした架空のレコード会社を舞台に、華やかな芸能界の裏面と女の一代記を当時のヒット曲クリソツの楽曲に乗せて描いた音楽映画が「ドリームガールズ」。大ヒットミュージカルを下敷きに、超人的美貌とプロポーションを持った現役アイドルであるビヨンセを主演に迎え、彼女演じるアイドルを崇拝的に見上げる目線がゲイの道への深い造詣を感じさせるビル・コンドン監督が映画化したという余りにもショウビズの王道を行く一本であります。野心家の若き業界人志願の青年が、田舎のタレントショウに出ていた芸人志望の三人娘を見出し、従来の業界の慣行を無視した売り出し戦略でトップアイドルに押し上げ自身のレコード会社を成長させて行くが、メンバーの軋轢や恋愛のゴタゴタ、アーティストとしての葛藤や、薬物や金銭トラブルという難題が次々と持ち上がり…という芸能内幕モノおなじみのストーリー。ふつうこうしたアイドルもんでは女たちは守銭奴でスケベな男たちに利用され転落して行くのが常なのだが、本作は「ドリームガールズ」というだけあって終始目線はアイドル当人たちに注がれ、自分を見失い転落していく男たちを尻目に女たちは強くしたたかにサヴァイブし壊れていた女同士の友情さえ修復させてしまう。ドロドロしてるようでさわやかな人生賛歌で、ビヨンセとジェニファー・ハドソンの主人公二人も歌やファッションで見せ場タップリ。人生のトラブルを経ても神々しいままで、ずーっと「アイドル・夢の女」なのである。方や男性陣のジェイミー・フォックスやエディー・マーフィーなんて自分を見失って暴走した挙句悲惨な末路を辿る役回りで悲惨…。男は打算で自滅し、女は感性のまま成長していくという新時代のアイドル映画で、まそれなりに新鮮なんだけどちょっとさわやか過ぎるかなあ。「芸能界も色々あるけどまだまだ夢の世界なんだよ」というショウビズ界自身によるショウビズ賛歌といいますか。スターを美しく描いて芸能界への憧れを盛り立て、ついでにショウビズの世界の系譜に連なる新たなスターを作るという業界の自己回転作戦を

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May 23, 2007




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