感動の実話?早いもので9・11テロからもう5年経った。昨秋の5周年記念日周辺では何故か陰謀論が狂い咲きし、ビルの崩壊の様子をコマ送りで検証したり、ペンタゴンに激突したのは飛行機じゃなくミサイルではないかと推測したりするテレビ番組や分析書が華盛りであった。なぜか日本での陰謀論の旗振り役がベンジャミン・フルフォード氏だったりするところが私のツボにも入って、氏のDVD付き著作を買って色々お勉強させて頂きました。ベンジャミンの日本でもアメリカでもタブーに土足で踏み込む芸風は大変面白く、また自由を感じさせるのだが、もし事件直後に斯様な陰謀論を展開してたら不謹慎なイエロージャーナリストとして殺されても文句も言えぬような壮絶なバッシングを受けたに違いない。唯一「華氏911」が、早すぎる(それでも2004年)9・11テロ陰謀論とイラク戦争批判であり、反米派から親米派、サブカル好きからも横断的に批判されつつ、商業的成功と実社会へのインパクトを両立させる希有な例となった。マイケルムーアの映画脳にはやはり独自性と先見性がある。時事問題に対する速報性が売りとなっているハリウッド映画でもボチボチ9・11テロに材をとった劇映画が登場しだしたが、事件直後に「アメリカの映画人はこの事件を映画にしないで何とする!」と早すぎるアジテーションを行って批判を浴びたのが誰あろうオリバー・ストーンであった。ベトナム戦争映画だってまずは帰還兵の悲哀と言う身内の問題を描いた「帰郷」や「ディアハンター」からはじまりベトナムを借景としてだけ頂いた「地獄の黙示録」で戦地でのアメリカ兵の狂気の振る舞いをスペクタクルとして挟み込み、やがて「プラトーン」や「フルメタルジャケット」「カジュアリティーズ」といった戦場の狂気の論理を仮借なく描く作品へと移行していった。「サルバドル」「プラトーン」「トーク・レイディオ」「ウオール街」から「JFK]「ニクソン」まで常にアメリカの時事問題をサスペンスフルな娯楽映画にしてきた豪腕野郎の不謹慎ぶりはまあ周知のことであるが、それにしたっていささか気が早すぎる。そんな言いだしっぺのストーンが満を持して放つ9・11映画がタイトルもそのものズバリの「ワールド・トレード・センター」。もしや今話題の陰謀論なども織り込んだ、「サルバドル」みたいなスキャンダラスな不謹慎快作なのでは?と密かな期待を抱いて劇場に向かったのでありますが…。映画の大筋はテロ事件直後にワールドトレードセンターに人命救助に入って崩壊に巻き込まれ、生き埋めになった警察官の救出劇。『感動の実話の映画化』というやつである。「アレキサンダー」の主人公は全世界を征服しようと言う野心家だったが今作は、生き埋めになった二人の制服警官。ふり幅ありすぎである。この救出劇に重要な役割を果たすのが、湾岸戦争の帰還兵にして敬虔なキリスト教徒であるデイブ・
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