軸足をどこに置くか?

 今月初めに、とあるシンポジウムを聴講した。「建築計画と不動産制度の連携」をテーマとしたもので、内容自体は以前から知っていた情報が中心だったが、パネリストの発言はなかなか興味深かった。特に印象深かったのが、あくまでも建築計画にこだわり、不動産制度に解決策を求めることをある意味残念がっていた(ようにみえた)大御所S先生の発言と、そのように指摘されたK先生が学生に向かって述べた、「建築計画に軸足を置きながら、他の分野に手を伸ばしていくことが重要」という発言である。スタンスは異なっているものの、どちらも「建築計画」にベースを置いて物事を考えている点は両者とも共通しているところが面白い。
 という話を聞いて、さて私の「軸足」とは何なのか、と考え込んでしまった。これまでにやってきたことを振り返ると、研究分野としては都市計画と住宅問題を主にやってきたが、どちらかに重点を置いていたというわけではない。都市計画については制度的な話とまちづくりとを並行してやっているし、住宅問題ではマンションを中心にしていたが住宅政策的なことも扱っている。最近は、防災復興系の調査研究に関わったり、仕事で建築計画に近いこともやっているし、NPOの活動や経営なんていうことも手がけている。大学で所属していたのは環境計画を主とする研究室で、そこでの助手時代は環境系の論文指導を中心にやってもいた。…というように、幅広くいろいろなことをやっている分、どこが「軸足」なのか分からないのである。こういうふうであるから、学会でどこの分野のセッションに出てもなんとなく「外様」である印象を感じてしまうし、はっきりとした軸足を持っている人々の集まる会合についても縁がないのだろう。
 私の出身学科は(少なくとも当時は)「ジェネラリスト」を育てることを目的としていて、都市計画や政策科学を中心に、経済学や社会学なども含めた幅広い教育を受けてきたので、その後もそういうスタンスで研究活動を行ってきてしまったが、ここにきてきちんとした「軸足」を定めなかったことが問題だったような気もしてくる。おかげで、ここをやっていればよいというはっきりとした研究フィールドが定まらないし、活動のベースとなるような所属グループも明確にないし、研究業績を示そうとしてもあれもこれもとなってしまいアピール力が弱くなってしまう。幅広く物事がみられる、分野にこだわらずいろいろなことが出来るというプラス面もあるが、全体的にみるとマイナス面の方が多いように思える。そのあたりは、最近になってより強く感じるようになってきた。
 そういう意味では、冒頭の話のように、どこかに軸足を置いた「スペシャリスト」でありつつ、他の分野にも踏み込むのがよいのかもしれない。となると、これから何を軸足にすればよいのだろうか。近年やるようになった防災復興

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研究全般
Oct 29, 2007




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