有楽町駅前での出来事

 今月 2回銀座に出かける用事があった。2度ともJR有楽町の駅を降りて銀座方面へ歩き始めると、知らない男から「こんちは しばらくぶり」などと言って親しげに声をかけられた。「覚えているかな」と言うから「知らないなぁ~、どなたでしたっけ?」と聞くと「この近くに住んでいる 電気屋の○○、以前良く逢ったじゃない」と言う。こちらが怪訝な顔をしていると、聞こえるような聞こえないような声で次から次へと話しかけて来る。
 はじめに声をかけられたのは、6月13日(土)、2度目が18日(木)である。声を掛けて来た人は同じ人ではない。2度目のとき この近くに私に似た人が居てその人と間違えているのではと思った。その男は あれから病気をしてしばらく入院していたようなことを 小さな声で話し続ける、この日は一時間ほど早く有楽町の駅に着いたので、大勢の人が行き交う雑踏の中で足を止めて話を聞いていた。
 突然男は、顔を寄せてきて小さな声で「聞こえるか」という、何のことか判らず「聞こえまっせ」と答えると、「知り合いが馬を持っていて、馬券で儲けた」と言ってズボンのポケットに無造作に突っ込んでいる、札束を見せた。大金を持ったことがない者には いくらあるかの検討はつかなかったが、少なくとも50万円はある札束が 2束というより 2塊無造作にゴムバンドで止めて持っていた。
 彼は この程度の金は簡単に儲けられる、この近くにあるから行こうと言うのであろうが 声はとぎれとぎれにしか聞こえない。友人との待ち合わせ時間が近づいてくる、その前に銀座に咲くアジサイの写真を撮りたかったので、「今日は用事があるのでごめん!」と行こうとすると、彼に二の腕を掴まれた、強い力で何処かへつれて行こうとされた。これはやばい 気の弱い者は「君子危うきに近寄らず」、 彼の腕を振りほどいて、足早にその場を去ることにした。
 良く考えてみると、人のよさそうで 小金のありそうで そろそろボケの始りそうな老人を捕まえて、博打に誘い 持ち金を巻き上げようという輩ではないか、昔のサラリーマンは 被害にあっても プライドが捨てきれておらず、恥ずかしくて人に言えない、特に大きな企業の管理職にあった人はなおさらだ。そんな弱点を突いた新たな犯罪であろうか。被害にあったという人は未だ聞いていないが 2回も同じような輩に声をかけられるところを見ると、鴨がうようよ歩いているものと思われる。
 君子とは恐れ多い お人好しの気の弱い ぼけ老人と見えただけじゃ。有楽町駅前は 足早にゆくべし。大金が簡単に稼げるわけはなかろう。くわばらくわばら。

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2009/06/20




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