池田又四郎(またしろう)このあたりで、聖典の文庫16[霜夜]の主役、池田又四郎に触れておかないわけにはいかない。
もちろん、ほかにも、銕三郎(てつさぶろう 27歳)が、京都西町奉行として赴任する父・宣雄(のぶお 54歳)にしたがって京へのぼる前に消息を記しておかなければならない仁には、高杉銀平(ぎんぺい 66歳)師、剣友・岸井左馬之助(さまのすけ 27歳)、井関録之助(ろくのすけ 23歳)、〔鶴(たづがね)〕の忠助(ちゅうすけ 50がらみ)とそのむすめ・おまさ(16歳)、そして〔荒神(こうじん)〕の助太郎(すけたろう 50歳すぎ)とむすめ・お夏(なつ 2歳)などがいる。
これらの仁は、銕三郎が京から帰ってくるあいだに、身辺が激変しているからである。
にもかかわらず、まず、池田又四郎を選んだのは、池波さんが描いた銕三郎とのかかわり方では、史実とあわないからである。
そこに、ちゅうすけの苦衷がにじむ。
『鬼平犯科帳』に描かれている又四郎は、銕三郎の4、5歳下で、200石の幕臣・池田邦之助の弟。
本所・亀沢町の家から高杉道場へ通ってきていた。
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