タイタニック

――残された者の務めを果たした彼女の充実した人生。

「金持ち=嫌な奴、一般人=言い奴」みたいな図式には少々うんざりするが、当時の時代では仕方ないのかな。
パニック映画は人間の意地悪さや弱さが如実に出てしまうが、ここでは一等室の乗客と、そうでない乗客の扱いの差が露骨に出ていた。
それでも、パニックの最中でも任務に忠実だった船員、設計技師、そして演奏隊の人たちを見ていて文字通り、救われる思いだった。
「みんな僕らの演奏なんか聞いちゃいませんよ」「いつものディナーの時だって同じだよ」―洒落た台詞だ。
いよいよ沈没となり、一度演奏を止めて船に乗りに行こうとするが、また戻ってやり始めた時は涙が出た。本当に敬意を表したい。唯一、船長は、ただ呆然としているだけで何もしないのは許せない!
でもここまでは、かつて作られた多くのタイタニック物にほぼ共通の描写。

キャメロン監督のオリジナルは、一人の女性の生き方をメインに据えたところ。
上流階級の娘ローズは、親の決めた結婚、レールに敷かれた生き方に絶望し、自ら命を絶とうとした。あのまま海に飛び込んだとしたら、(残念なことに?)歴史的な大事故を知らずに海の藻屑と消えていただろう。

ジャックとの出会いは、彼女の人生観を変えたし、短い間だったが彼女のその後の人生を方向づけたと言って良い。沈んでいく彼を見送り、凍えた身体で必死に力を振り絞り、助けを呼ぶあの笛の音は、感動モノ。
その献身的な「愛」のおかげで、ローズは一度捨てた人生をやり直し、充実したものにできたのだ。
彼女の生き方は、飾ってある写真に描かれている。乗馬をしたり、飛行機に乗ったり、・・・

ジャックは正に白馬の王子様だった。でも何であそこまで献身的になれるのか? 正直なところ、あの娘のどこがいいのか、よくわからなかった。
彼だって、憧れのアメリカに渡って、画家で名を成す夢があったはずなのに・・・かわいそうだ!
誰もがジャックのように、男がみんな、あんなふうに献身的になれる訳ではない。デートでこの映画を見ていたら、その後のディナーの会話はきっと気まずくなってしまうに違いない。電影道士は、幸い一人でビデオ鑑賞だったので、そんな心配はしないで済んだ。
しかし、映画館で見るべきスケールの作品だったナ。残念。

同じキャメロン監督『ターミネーター』の、サラ・コナーを守る未来兵士も、ジャックみたいに献身的だった。彼は伝説の母サラ・コナーに憧れて任務に志願したのだ。こちらの方はまだ説得力がある。彼女も、彼との出会いで人生観が変わり、ドジな学生から強い女性に変わって行く、審判の日に向けて。

2つの映画はよく似

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2005/02/10




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