黒田三郎の2つの「道」詩人・黒田三郎の作品に2つの「道」とタイトルのつけられた詩がある。
一つは、戦前の少年期から青年期にかけての作品を集めた「失われた墓碑銘」という詩集にあり、もう一つは、戦後すぐの作品を集めた「時代の囚人」という詩集におさめられている。
ぼくは、8月、つまり終戦記念日の頃になると、この2つの詩を思い出す。黒田は、1919年の生まれというから、終戦の頃は20代の半ばということになる。大雑把に考えて、前者の「道」は10代の終わりから20代はじめ頃の、後者は20代後半の独身青年の頃の作品と考えていいのだろう。
最初の「道」は、こんな作品である。
美しい詩だが、これは「佳作」というところだろう。だが、これを次の「道」と合わせて読んでみると、味わいが深まってくる。忘れがたい作品になる。両者の間には「戦争」という暗く深い時間の塊りが横たわっている。
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