尾道(おのみち)と林 芙美子
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千光寺山展望台から尾道水道を望む(広島県尾道市)
<放浪記の上演が1,900回を超える!>
日本経済新聞の2007年12月の「私の履歴書」は森 光子さんであった。我々の年代よりずっと先輩の大女優であるが、41歳の時に菊田一夫から始めて主役を指名され演ずることになった「放浪記」が、この2008年2月にはなんと上演1,900回を超えるそうである、とあったのには驚いた。放浪記の面白さと森 光子さんのキャラクターの相乗効果とでもいえようか。
「放浪記」は、1903(明治36)年に生まれ、大正、昭和の激動期を駆け抜け、1951(昭和26)年に48歳で急逝した作家の林 芙美子が、不遇時代、職業を転々としながらの極貧生活の中で綴った日記をベースに、昭和5年に刊行した自伝である。苦しい中にも明るさと向上心を失わない芙美子の姿勢に多くの読者が共感を覚え、当時のベストセラーとなって芙美子は大作家の仲間入りをした。
林 芙美子はこの苦闘時代の経験をもとに、社会の下積みで生活する人々を題材に、自伝も含めて数々の短編も出している。我家にも親父の遺品の中に、昭和10年に改造社から発刊された「牡蠣(かき)」という箱入りの立派な短編集が残っている。弊親父宛の林 芙美子という署名が入っているので、子供の時からこの独特の筆跡を眺め親近感をもっていた。
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