朗読者
映画「愛を読むひと」の原作であるこの小説は当然、名作である。
戦争の末端の加害者は追いつめられた人たちであり、戦争の犠牲者とも言える。私だって追いつめられ、極限状態になれば、同様な行為をするということである。
しかし、この小説は一方に片寄った単純な解釈をさせない書き方をしている。
むしろ、恐らく貧しさからきたであろう「文盲」のことがクローズアップされ印象に残る。それは「恥」というものを考えさせるし、世間並みの幸福より自分の魂の「自由と尊厳」を重視する意味を思い起こさせる。
この小説を読むと、逆に映画の良さも感じられるという稀有なケースである。ケイト・ウィンスレットはまさにはまり役。この本を読んでいて、彼女以外のイメージが浮かばないくらいである。筋も比較的忠実に映画化されている。
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