「女」の「オバさん」化

 日本女性の平均寿命は86歳にのびた。男性は79歳というから、女性はますます長生きして元気になり、女ならではの国も女性天国ならぬ"オバさん天国"になりそうだ。街や展覧会などには、中高年女性が溢れてそのパワーに圧倒されるがちである。
 いま評判の脳科学者・茂木健一郎氏が近著「化粧する脳」(集英社新書)の中で、「女」の「オバさん」化について書いていた。面白い観察とおもったので、その一部を紹介しよう。

 「世の女性はその実質において「女」と「オバさん」に分かれているように思う.。若さとか、見せかけの問題ではない。
 隠すのが上手い女性が「女」である。ところが、女性は「オバさん」化してしまうと、「隠す/見せる」のコントラストを欠いてしまう。それは顔や化粧の問題ではない。「言動」の問題である。時も場所も選ばず、何事も包み隠すことをしなくなってしまうのだ。僕はこれを「無意識の垂れ流し」と名付けている。
 おそらく、「女」も「オバさん」も思っていること、感じていることの「総量」は、そう違わない筈だ。しかし、「オバさん」は思ったことを片っ端から口にしてしまう。その一方で、「女」は口数が少ない。心に思ったことのうち何を表出するかを考え、言葉を選ぶからだ。たとえば、大勢の人の集まる場所で、冷房の効きが悪いとか蒸し暑かったとする。そんな場面で「オバさん」は、会場に入ったとたん、声をあげてしまう。
 「あー、暑いわね、暑い、暑いわよねえ、暑い、暑い。クーラーが壊れているのかしら。喉渇くわよね。ほんと暑い。窓、開けたほうがいいかしらね・・」と。
 このように、思ったことを逐一言われ続けると、同席者にとってはノイズになってしまう。周りは聴こえぬふりでもしてやり過ごすしかなくなる。「いちばん暑苦しいのは誰だ?」と心の中で呟きながら。
 「女」は思ったことのすべてを口にしようとはしない。だから、「この部屋、暑いですね」と一言いったとたん、周りの男性たちはそわそわしはじめる。「何か冷たい飲物を持ってこようか?」「窓を開けようか?」。(中略)
 男はこういう状況になると、いてもたってもいられな

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2009/06/06



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