寝ても醒めても (FAYRAY)

女性シンガーソングライター、FAYRAYの久しぶりのアルバム。
最初聴いた時、予想していたのと少し違った。これまで以上に静かで地味で印象が薄く、インディーズの歌手が作った芸術に偏りすぎたCDの様に感じられたからだ。彼女は美人なのに、遂にジャケットや歌詞カードから顔写真がなくなり、楽曲だけで勝負するつもりなのを更に印象付ける。安易な商業主義へ走らないそんな姿勢は嬉しい。何せ以前、自分はギタリストの村治佳織のファンだったのに、彼女が写真集を発売した途端に幻滅してファンを辞めたくらいなので。音楽家が美男美女なのに越した事はないが、あくまで音楽そのもので勝負してほしい。
その点、FAYRAYは裏切らない。本作も聴き込むほどに違和感は消え、じわじわと良さが感じられてくる。彼女らしい美しい旋律と落ち着きのある歌声は変わらないが、これまでのアルバムが夕日や夜空を眺めて物想う様な切ない曲が多かったのに対し、本作は休日の朝、静かに幸せを噛み締めているかの様な味わいだ。表題曲「寝ても醒めても」の歌詞、「生まれ変わりも 同じ時代を選ぼうね 二本並ぶ木になって隣にいたい 永遠に」、そんな事を言える大人に、そんな事を言ってもらえる大人に、なりたいと思う。
やはり、彼女はいい曲を作る。今、一番好きな日本の歌手だ。

音泉旅行(音楽評)
Feb 22, 2009




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