61週間後、彼女は友達を連れて僕との待ち合わせ場所に登場した。
「こちら私の友達の澤村彩さん」
「どうもはじめまして」僕は言った。
僕はその時の彼女の第一印象については、今となっては思い出せない。ただ彼女の服が彼女に良く似合っていたことは覚えている。
僕らはその日3人で映画を見て適当にお茶をして帰った。僕は自分からあまり話をしなかったために、友達の理恵が僕の小学校時代の話や、僕の行っている高校の評判などを彼女に伝えてくれた。彼女はそれに頷き、笑ったり、驚いたりしていた。僕は横でそういう彼女の表情を観察した。彼女が笑うと僕は幸せな気分になり、驚くと僕は少し心配になった。そして色々な反応の後僕を見た。僕は彼女の目を見つめた。そうしたことが1日のうちに何度かあった。それは僕に対する興味の目であろうか、それとも関心の目であろうかと僕は考えた。理恵は僕のことを少し大げさに表現していた。僕は何度か理恵の言葉を訂正しようとしたが、それを口には出さなかった。
“女の子を紹介してもらう”という僕の初めての経験は平穏無事に終わった。僕はある程度彼女に良い印象を与えたみたいだったし、実際その日一日、彼女を見たり、少し言葉を交わして彼女に惹かれていることを感じた。
その日の夜、僕は理恵の家に電話をかけた。
「どうなんだろう?」僕は尋ねた。
「いい線はいっているみたいよ、少なくとも彼女はトオル君に関して悪くは思っていないし」彼女は言った。
「じゃあ僕は彼女と付き合えるかな?」
「さぁそれは分からない」
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