ホンジュラスにおけるクーデターの真実 (1) 加筆版

 中米のホンジュラスで、6月28日早朝、軍部によるクーデターが起き、マヌエル・セラヤ大統領を拉致し、コスタリカに追放した。ラテンアメリカの多くの国々で民主主義的な選挙により左翼的な政権が出現し、それに反対する勢力との陰に陽における熾烈なたたかいが行われている中でのことである。しかし、進歩と反動の対立は、表面では少なくとも議会や選挙、合法的なデモ、マスコミにおける言論戦の形で行われている。その意味でいかにも古典的な時代錯誤的なクーデターである。
 
 したがって、このクーデターは、国際世論から一斉に非難を浴びている。6月30日第63回国連総会でも、7月1日米州機構(OAS)総会(米州大陸34カ国出席、キューバは未復帰)でも、満場一致でセラヤ大統領の追放を明確にクーデターと規定し、その違法性とセラヤ大統領の合法性、ミチェレッティ「暫定大統領」の違法性、セラヤ大統領の即時・無条件の復帰、違法政権の非承認を決議した。その後もヨーロッパ、米州各国首脳も在ホンジュラス大使を召還したり、セラヤ大統領の復帰の承認を「暫定」政権に強く要求している。国連総会の決議案の共同提案国となった米国は、援助の凍結、合同軍事演習の中止を発表している。また、世界銀行、米州開発銀行(BID)、中米経済統合銀行(BCIE)もホンジュラスへの援助を停止した。

 しかしながら、国際的にまったく孤立した格好となっているミチェレッティ「暫定」政権だが、3日の米州事務総長ミゲル・インスルサによる直接の話し合いでもセラヤ大統領の復帰を頑強に拒否し、4日には米州機構から資格停止を通告された。さらに、5日には、セラヤ大統領の帰国も、空港を閉鎖して阻止した。一方国内では、人民抵抗戦線を中心に抗議運動は日に日に高まっている。

 それでは、なぜミチェレッティ暫定政権は、自らのクーデターに頑強にしがみついているのであろうか。事件は、一見、セラヤ大統領が、11月29日の総選挙の際に制憲議会の設立を問う投票を行うかどうかを、6月28日に国民投票で国民に意見を聞くことが違憲であるとして、国会が国民投票の禁止を決定したことから始まったように見える。本当にそうであろうか。まずは、事件を整理して、時間を追って点検してみよう。その中から、クーデター派の真意が見えてくるであろう。

 本年3月14日、セラヤ大統領や、憲法制定議会の招集について国民投票を行うことを発表した。新憲法の目的は、社会改革を可能とする条文の制定、大統領の再選規定の導入などである。

 本年6月20日過ぎになると、6月28日の国民投票の準備が進められた。今年の11月29日の総選挙の際に制憲議会の制定について国民投

(1/3) 次»

ラテンアメリカ分室
2009/07/07



カテゴリー一覧
最近のコメント

このブログを友達に教える

コミュニティ | 有名人・芸能人ブログ | ケータイ占い | ケータイ小説 | 掲示板


画面TOP↑


powered by cocolog