好きな絵第1位 日本の美術館名品展 東京都美術館

好きな絵第1位
作品番号 3 ギュスターヴ・クールベ 『嵐の海』 1865年頃 (山梨県立美術館)

同展覧会の最初の部屋に入って、まさかクールベが展示されているとは思いませんでした。その左を向けば、サー・エドワード・コーリー・バーン=ジョーンズの『フローラ』(1868-84年)も展示されてるし。。(これは郡山市立美術館の出品です。バーン=ジョーンズのこれだけの秀作が郡山にあるとは。。すごい。)

話はクールベに戻ります。19世紀初めのフランスの画家です。クールベといえば第二次世界大戦中ドレスデン爆撃で焼失したと言われている彼の『石割り人夫』の本当の行方は、今も美術業界のミステリー。

他はオルセー美術館所蔵の『オルナンの埋葬』(1849年)や『画家のアトリエ』(1854-55年)などが有名です。18世紀後半からのヨーロッパ美術はとにかく新古典主義やロマン主義。神話や歴史をモティーフにしたドラマティックな題材と表現が好まれました。というわけで「普通の人」を題材にした上記の二つの作品は当時の美術業界では酷評されました。彼の「写実主義」は認められなかったのです。1871年政治的運動に参加。投獄。そしてついにパリを背にして晩年はスイスへ亡命。。

この『嵐の海』も彼が生存している間は高く評価されなかった作品のはずです。皮肉にもクールベは19世紀後半に生まれる印象派の画家達に大きな影響を与えたと言われています。この『嵐の海』を観るとそれがよくわかります。

暗闇の中、波しぶきが聞こえるような海。印象派のような明るい日差しの中の海ではありませんが、暗い「自然光」の中で岩や海の色彩の変化を見事に描いています。この『嵐の海』では、『石割り人夫』『オルナンの埋葬』『画家のアトリエ』では表現されていない、リアリズムとは異なった視覚表現がされています。まさに印象派に相通ずるものがあります。

しかし暗くて激しい海。。好きな絵というよりは、観る価値がある絵という意味で、あえて一位にしてみました。

同展覧会も明日が最終日です。


*『嵐の海』の画像は同展覧会公式ページ電子図録では3と表示されています。
同展覧会公式ページ
http://museum-islands.jp/intro.html
から名品紹介→「電子図録」
あるいは電子図録
http://museum-islands.jp/catalogue/index.html

美連協25周年記念 日本の美術館名品展
会期:2009年4月25日(土)~7月5日(日)
会場:東京都美術館(東京・上野公園内)企

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文化・芸術
2009/07/04




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