☆第4章 最後の夏休み☆ 第22話目次へ
「夏の朝って、昼間とは別のようだと思わない?」
朝の光が穏やかに射す京葉道路。
車の窓から見るとは無しに眺めながら、私はふと言った。
「思うね」
前を見たまま、成田さんは何故かしかめ面。
別に機嫌が悪そうでもなく、たんに眠いのかな。
「真夏の朝が一番好きだなぁ
空気が透き通ってて、今ここにある空気の本物の形って感じがする」
そう続けた。
私が思っていたのと同じこと、口にしてくれたから少し嬉しい。
真夏の朝、冷たくも温くもない空気。何も色がついていない。
「でもさぁ」
ガラガラの道を、左に曲がりながら。
「6時までだよ。」
6時?
今は5時50分くらい。
「6時過ぎると、どんどん気持ち悪くなる。
空から何か変な物が降ってきて、空気を変えていくみたいに
ベッタリ体にまとわりつく」
“気持ち悪くなる”その表現が可笑しくて、私はしばらく笑った。
笑っていると、もうすぐに私の家。
☆.。.:*・゜☆.。.:*・゜☆.。.:*・゜☆.。.:*・゜
赤い車で送ってもらって、
いつもの川沿いの道へ着いたのは
結局6時少し前だった。
朝早くから出かけるくせに。
今日は大事なお出かけのくせに。
海へ行くんだか、山へ行くんだか、
そんなことはどうでもいい。
私が残してやったのは、
まともな思考を一日維持できるわけもないくらいの疲労感。
もちろんそれは私自身にもたっ
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