☆第4章 最後の夏休み☆ 第21話目次へ
あの夜のことは、今でも全部覚えている。
肌に触れた空気の感触
街灯に照らされて光る、木の葉の緑
ものすごい勢いで流れていく灰色の雲と
その向こうに広がる深藍の夜空
どこまでも続きそうな高速道路の灯り
公園から飛び出したら見えた、
何故か悲しげな船堀タワー
あの街から離れて、今日で4ヶ月。
あの街で暮らして、結局2年半。
それでも、
あの夜の私の目が一番に鮮明だった。
☆.。.:*・゜☆.。.:*・゜☆.。.:*・゜☆.。.:*・゜
From: 成田
Subject: おはようさち
おはよう
To: 成田
Subject: Re:おはよう
電車ガラガラだょ。
8月13日。
世間はお盆休みへと突入。
お正月やGWに比べれば、そうでもないものの
いつもの土曜日程度の地下鉄へ乗って、
お盆なんて関係ない方針の会社へ、私は向かう。
地方へ帰る人は有給を取ってるから
それでも会社は閑散としている。
別に有給はあるし、急ぎの仕事もないし、
無理に出勤することもなかったのだけれど
出かける当てがあるわけでもなく、
昼間から家にいたところで、余計なことをしたり考えたり。
無理やり蓋した様々な事象が、噴出してこないとも限らない。
実のところもう、蓋は蓋の役割なんてしていないのだけれどね。
明らかに何かが起きている、花魚の内面。
転びそうになりながら、つんのめりながら、
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