我が久遠の加藤和彦

「河童橋…」の東京公演を終え、今回はいわゆる「社会復帰」に丸々1週間かかり、そろそろまとめでお礼ブログを書かなくちゃと思っていた矢先に、これはかなりキツイ訃報だ。耳ざとい人なら(劇団員も怪しいけど…)今回の芝居の客入れの間、ずっと流れていたのが加藤和彦氏のアルバムだったと気付いたはずだ。僕はずっと彼の(確か5曲目)歌声をバックに前説の注意事項や宣伝を喋っていた。「やっぱ何か落ち着くんだよね」とロビーで話してたりしてた。ワイドショーでよく振り返りで流れてる懐かしのフォーク・クルセイダーズのミカバンドの頃の、売れてた頃ではない時代、もっと最近の(とは言え20世紀だけどね…)シャンソンベースだったり、安井かずみとの欧州生活の頃の小品だ。「あの頃、マリーローランサン」なんかは僕の中では最高の逸品で、かつてナビロフトで上演し名古屋市の賞までいただいた「中野エスパーをめぐる冒険~大改訂版」では最初と最後のテーマ曲としてアルバム中の曲を使わせてもらった。歌詞が入った曲をそのまま劇中で流すなんてウチでは普通ありえなく、少なくとも日本語のモノでは加藤和彦さんオンリーだった気がする。今回客入れで(少なくとも不条理と現実の「アイノコ」なホテルのロビーを飾るのは、彼のメロディー以外に思いつかなかった)流していたのは、その3作ほど後のアムバムで、多分、最も売れてない頃ではないかと思われる。

そんなに遠くはないいつか…ミックジャガーもデュランも死ぬだろ? 俺はその日、店を臨時休業にして、丸一日CD聞くんだよ。一人だけで追悼する。一人づつ、一人づつ、お世話になった神様全員を見送るのが、これからの人生だ。それでいい。俺の神様を知らない世代なんかに生まれ変わりたくないのだよ」

…何年か前に東演さんに書いた「大地のカケラ」って戯曲の中、ミュージシャン崩れの地方在住者・千葉のセリフ。なかなかそうもいかなくて、今日ものこのこ大学なんかに出向くわけだ。清志郎の時もそうだった。二日酔いのレッスン場が遠かったなぁ…。余りに安直でありきたりな発想と苦笑いしつつ、どうしても天国のバーで先に逝ったかずみさんと一緒にグダグダ飲んでる和彦氏のイメージが沸いてしまう。やっぱ最後まで我侭なドンファンだったのね。いや、魂だけは少しだけ先回りして、ホテル河童橋のロビーで酔っ払っていたのかも知れないか。合掌はせずに今日一日、唇にハミングを欠かさずに。

永いお別れ_
2009/10/19




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