リキ物語 第5話 犬ぞり隊訓練中
そり犬としてのリキのポジションは決まっています。左側の先頭です。このポジションはリーダー犬のポジションであり、そり犬にとって、とっても名誉あるポジションです。彼は決してこの場所を他人に渡そうとはしません。頑固に守り抜いています。ただし、リキの所属する犬ぞりチームはたいていは犬一匹だけです。また、生活環境が雪国ではないので、引っ張っているのは、そりではなく、たいていは自転車です。したがって、リキは必ず自転車の左前を走ります。ハーネスと引き綱は、イヌイットの人々が登場する記録映画の犬ぞりシーンを、目を皿のようにして見て、登山用品のテープを縫い合わせて造りました。引き綱は5m、自転車のサドルに縛り、ハンドルの上を通ってリキのハーネスにつながります。
リキ用自作ハーネスは、海に飛び込んでしまったリキをカヌーやヨットハーバーの桟橋の上に引き上げるのにも、とっても役立っています。ちなみに、さんリキは水泳大好き大得意で、水があると、なんとか理由を見つけては飛び込もうとします。人が釣り竿をふってルアーを飛ばした。それドボン。リキの釣り場荒らしは有名です。ヨットを桟橋に付けるときにだれかがロープを投げた。それドボン。
犬ぞり訓練に話を戻します。どうも、さんリキは自転車も仲間と思っているらしく、スタートの時に自転車の走りだしが遅いと、「こらーもたもたするな、Go Go Go」と自転車の前輪を噛んで叱咤します。自転車の前輪を二番犬と考えているようです。何かの映画で、本物のそり犬が、もたもたしている犬の足を噛んで、叱咤しているのを見ました。羊の世話している牧羊犬も、羊を追うのに後ろ足を噛むようです。自転車君を犬族の仲間か、もしくは自分が世話を焼いている他の動物の一種だと思っている証拠は他にもあります。
以前にもお話しましたが、さんリキは待て命令がとっても苦手です。原っぱの真ん中に座らせ、「待て」と言って、私が背中を見せて歩きだします。15m歩いて、ハッと振り返ると、リキは確かに神妙におすわりをしていますが、よく見ると元々座っていた場所からは3mほど近くなっています。もう一度後ろを向いて10m歩いて振り返ると、またまたリキは移動をして、素知らぬ顔で座っています。後ろを向いて、すぐに振り返ると、リキが動いているのをを見つけました。リキみっけ。子供のときに遊んだ、だるまさんが転んだ、と一緒です。鬼になった子供が後ろを向いて、「ダールマさんがころんだ」と言っている間に、他の子供たちが鬼に近づきます。鬼に、動いている所を見かったら、「みっけ」と鬼に捕まります。鬼は、誰かに、背中をドンと触られたら、もう一度鬼をしなければなりません。ちなみに、私の住んでいる北大阪一帯では、この遊びのことを「最初の一歩」言っていました。鬼は「
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