約束を守ること

私は、鑑定所を開いてから、十年間以上、約束時間に遅れたり、
私の方の理由で鑑定をキャンセルした事は、一度もありません。
世間で言うところの皆勤賞ものだと、当たり前のことなのに、いつ
も誇らしげに自慢しています。

「先生、済みません、車が混んでいて10分程おくれそうなんです
が、、、」
と言うことは、車の中から携帯電話を掛けていられる。
「はぁっ、いいですよ、お待ちしています。」

そこが性格で、私ならそんな事もあろうかと、余裕をみて出掛け
ます。しかし、気楽であまり気にされない方には、そんな考えは
浮かばないようです。

ところがこれが仕事絡みとなると、かなり問題になってきます。
「またまた、どうされたのですか?」
「なにか朝からバタバタとしていて、全部かぶっています。先生
遅れて済みません。」

大汗を拭っているヨリ子さんを、私は団扇であおいでいます。
これでは折角のお化粧も流れ落ちそうです。

それでも時間を見つけて、駆け込んで来られたのには、訳があり
ました。独立して三年、漸く軌道に乗りかけた卸し業が、どうも
最近上手く回らないと電話でお聞きしています。

数人で海外の雑貨輸入を続けていて、希望していた独立をしま
した。
簡単のように思われたことが、そうではないと気付くのに、三年
掛かったとも言えます。

大手の販売店から、別の業者から仕入れると言われたようです。
価格は変わりません、お付き合いも同じくらい、信用度も同じだ
と、、、それでは、次第に鮮明になってきた差とは、一体何でしょ
うか?

「ヨリ子さん、前の彼と別れた原因は、何でしたっけ?」
仕事の相談に来ているのに、先生は一体何を言い出すのかと
不審気な表情です。

「先生、厭だわ、私が振られたんですよ、知っていられる癖に、そ
れで、先生とご縁があったんですから、、」
すっかり吹っ切れてはいますが、何やら考えこんでいられます。

「えっ、先生、それが原因なんですか?これは営業ですよ、仕事
ですよ!」
「人間関係は、全部同じですよ、お仕事だろうが、男性問題だろ
うが、、きっちりと約束を守り、相手の立場に立ち、行動していく
ことはね。」

私は、憎めない拘らないヨリ子さんの性格が、大好きです。
しかし全財産を投資している現在は、その性格を良い方へ向け

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Aug 27, 2005




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