金融危機の拡大米国では9月15日、金融危機がさらに拡大しました。ご承知のように、証券4位のリーマン・ブラザーズが63兆7500億円の負債をかかえて倒産したのです。負債金額は史上最大です。また、証券3位のメリルリンチも、銀行に買収されました。買収したのは、米銀行2位のバンク・オブ・アメリカです。いずれもサブプライムローン問題の影響で、不良債権が膨らんだためです。FRB(連邦準備制度理事会)のグリーンスパン前議長はテレビ局のインタービューに対し、「50年ないし100年に1度の事態が起きつつある」と沈痛な表情でした。米政府は7日に、住宅金融公社2社を政府の管理下に置いて、20兆円の公的資金を注入すると発表したばかりです。この1週間で何が起きたかといいますと、経営不安が伝えられたリーマン・ブラザーズとメリルリンチの株式が、ニューヨーク株式市場で売られに売られ続けたのです。その結果、2社の経営は立ち行かなくなってしまいました。
リーマン・ブラザーズの経営破綻は、日本の金融機関だけでなく、個人投資家に大きな影響を与えます。金融取引が最もグローバル化しているためです。17日の日経新聞朝刊は、日本の大手銀行・地銀・保険会社の場合、リーマン・ブラザーズ向けの投融資は4400億円を超えると伝えています。そして、担保や損失回避のための取り引きで、補えないのは2300億円以上に達するとのことです。
米国では保険最大手の「AIG]と貯蓄金融機関最大手の「ワシントン・ミューチュアル」も、経営不安が強まっていると伝えられいます。日経新聞によりますと、AIGが日本国内で生命保険事業3つと損害保険事業3つを営んでいます。そして、2007年度の保険料収入は、生命保険と損害保険を合わせてますと2兆1000億円です。それだけに、AIGの経営不安は、日本にとっても頭の痛い問題です。
この金融危機に対し、米国・欧州・日本の中央銀行は15・16日の2日間だけで、30兆8000億円にのぼる資金を金融市場に供給しました。各金融機関による資金調達を円滑にするためです。現在、先進国の各政府と中央銀行が、緊密に連絡を取り合いながら必死になって金融危機の拡大を食い止めようとしています。極度に劣化したといわれる財務省も、ここは全省を挙げて金融機の拡大に務めなければなりません。その際、何よりも重要なのは、多角的かつきめ細かい情報の収集と情報の的確な分析です。
米国の官僚や識者の間には、日本でかつて起きた金融危機の際、日本政府は抜本的な対策を打ち出すのに10年以上もかかったと批判する空気が支配的です。しかし、こんどの米国発の金融危機に際しては、日本はいくつかのルートで、もっと早めに思い切った
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