「小沢氏の政権交代論」を排す

 日本の戦後政治で最も問題なのは、官僚機構の腐敗と堕落に対し、抜本的なメスを一度も入れようとしなかったことです。元国連大使の波多野敬雄(よしお)氏は何年か前の民放テレビで、「角(田中角栄)さんは、役人の天下り先をたくさんつくってくれた。外務省の役人といえども、おのずずと角さんの応援団になりますよ」と、にこにこしながら話していました。枡添要一厚生労働大臣も参院議員になる前、役人の天下りの是非を問う民放のテレビ番組に出演し強い調子で言いました。「キャリア官僚の大半は高校時代、恋愛も何もかも犠牲にして受験勉強に集中した。そして、東大法学部に入り、民間の大企業より遥かに安い賃金で働き続けている。退職後に天下りして、それなりの報酬を得るのが何で悪い」。

 田中角栄氏が「コンピューター付きブルドーザー」と称された背景には、持ち前の鋭いひらめきと資金力のほかに、霞が関の強力なバックアップがあったからです。福田康夫首相の父親の福田赳夫元首相は、大蔵省主計局長経て政界入りしました。官僚中の官僚出身の人物です。角栄氏とは常に政治的ライバル関係にありました。しかし、官僚集団を味方につけたのは角栄氏側でした。波多野元国連大使の言うように、官僚の面倒見がよかったうえ、カミソリといわれた警察庁長官OBの後藤田正晴氏を懐刀として重用したからです。

 このように官僚を甘やかし続けたツケが、今、国民に重くのしかかっています。私たちが知った官僚機構の腐敗と体たらくは、先進国の中で前例がありません。だからこそ、政権交代を望む声が、民衆の間に広がっているのです。しかし、小沢一郎氏率いる民主党は先の通常国会で、国民や国家の利益を損ない続けました。1か月に及ぶ参院での審議拒否がそうです。またテロ対策特措法の延長法案に対する民主党の反対は、世界を本当に呆れさせました。頼りにならない日本というよりも、独善主義の日本というイメージを与えてしまいました。この失った信頼を回復させるのは容易でありません。

 8日に立候補の受付が行われた民主党の代表選挙も、民主主義と相容れないものでした。新聞報道によりますと、「対立候補が出ると、間近に迫った衆院選で、落選中の仲間が公認されなくなる」とか、「役職に就けず干される」といった恫喝による多数派工作が行われました。その結果、小沢代表の無投票当選が決まりました。

 確か「上げ潮派の素顔」の中でも申したと思います。小沢氏の資金管理団体「陸山会」による土地とマンションの購入問題です。2007年10月9日の毎日新聞の記事をご紹介いたします。

 陸山会の政治資金収支報告書などによると、陸山会は東京都港区のマンション「プライム赤坂」の一室を所有。ここにコンサルタント会社「エスエー・コンサルティング」が

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経済・政治・国際
2008/09/11




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