怪獣「ミーノータウロス」その昔、一世を風靡した谷岡ヤスジ氏の「バター犬」という漫画があった。その犬は、女性の秘所に塗られたバターをなめ、当の女性が悦ぶというものである。その奇抜な発想と、ヘタウマタッチの絵と言葉の荒さが、コマ面を縦横に勇躍し、かなりインパクトがあった。バカバカしいながら、つい読んでしまう「くせになる漫画」だった。
現代でも、ペットの犬やサルに対する想いが、余りに深くなり、交情してしまう話はありそうである。
ギリシア神話の世界でも、立派な牡牛に惚れて、子供を作ってしまった女性がいる。クレタ王「ミーノース」の妃「パーシパエー」である。
彼女は、ポセイドンから夫である王に与えられた牡牛にすっかり恋をしてしまった。その牡牛が余りに雄雄しく、見事だったからである。
彼女は、手下の天才技師「ダイダロス」に命じて、青銅製の牝牛を製作させた。この人工牝牛の中に潜んで、牡牛の発情を誘い、思いを遂げてしまった。
彼女が、どんな形で、青銅製の牝牛に潜んでいたのかは想像をたくましくするしかない。
この結果、生まれた怪獣が、牡牛の頭をもつ人間「ミーノータウロス」である。
王は、本当は実子ではないが、名目上我が子としての「ミーノータウロス」を恥じて、世間から隔絶することにした。迷宮「ラビリントス」を造営し、ここに「ミーノータウロス」を閉じ込めることにしたのである。「ラビリントス」は、いわば、迷路の巨大バージョンである。
この迷宮の設計をしたのも、また天才技師「ダイダロス」だった。王は、この迷宮の完成後、「ダイダロス」を証拠隠滅のため葬ろうとしたが、失敗した。
こうして、怪獣「ミーノータウロス」は、迷宮「ラビリントス」で暮らすことになった。怪獣でも、生き物だから、食べ物は要る。
この「ミーノータウロス」を養うために、毎年、クレタの支配下のアテナイ人が、乙女と青年各7人つつを犠牲として捧げることになっていた。これじゃたまらんと、アテナイ人は英雄「テーセウス」をこの迷宮に送り込み、遂にこの怪獣を退治した。
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