グアテマラ:内戦の記憶をよみがえらせる誘拐事件

 3月25日、中米グアテマラでグラディ・モンテロソさんが12時間余りにわたって誘拐、拘束された上に拷問を加えられる事件が発生した。この事件のあと入院しているモンテロソさんは新聞社のインタビューに対して次のように語っている。
 「このような状況を生きることになるとは想像もしていませんでした。...もう内戦の時代に生きているわけではないのに、この民主主義の時代に、21世紀に、拷問を受けたのです。」[1]
  モンテロソさんは左派政党である「グアテマラの出会い」の首都支部の事務局長であり、また人権オンブズマンの妻でもあったことから、今回の事件の政治的な意図が疑われている。犯人たちは明確な要求をしなかったとのことであるが、モンテロソさん自らが語るように、「グアテマラではもう拷問などしない。金を要求されるか、殺されるのかどちらか」という時代に、この事件は起きたのである。
 「グアテマラの出会い」党は、国会で法案が審議されている、武器・弾薬の取り締まり強化に積極的であり、また人権オンブズマン事務所は事件の前日、24日に過去の警察文書の公開に踏み切ったばかりであった。この文書は2005年7月に発見されたものであり、内戦期に行われた国家による人権侵害、誘拐、失踪事件などの真相を明らかにする多数の資料が含まれているとみられている。現在の暴力に立ち向かい、また過去の暴力に向き合う動きの中で、今回の誘拐事件が発生したのである。(青西靖夫)
[1] http://www.prensalibre.com/pl/2009/marzo/31/305157.html

グアテマラ | 経済・政治・国際
2009/04/13




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