グアテマラで大規模開発の背後に潜む殺人グループ

  グアテマラで鉱山開発や水力発電ダム建設に伴う人権侵害事件が相次いでいる。1月23日にはウエウエテナンゴ県のサン・イデルフォンソ・イシュタウアカンにおいて、鉱山開発による先住民族の権利侵害を訴えていた若者のグループ、モホマヤスのサンティアゴ・ペレスとマリア・デ・ラス・メルセデスの2人の若い活動家がむごたらしく殺害される事件が起きている[1]。しかしこの事件以外にも各地で脅迫や暗殺予告が相次いでおり、2人が所属していたモホマヤスでは2月23日、改めて声明を発表し、各地で鉱山開発やダム開発に伴って多数の脅迫事件などが起きていることを告発している。
  声明文は次のようなケースを指摘している。 
 キチェ県、シャララ・ダム計画地域のコポン川においてダム開発反対運動を続けているドミンゴ・コックおよびフェルナンド・コックに対する脅迫。 
 2008年8月、キチェ県、サン・フアン・コッツアルの市長が、地域の水力発電ダム計画に反対しているペドロ・サンブラノとバルタサル・デ・ラ・クルスに対し、反対運動を続ければ殺害するとピストルを手に脅迫。 
 2008年11月から12月にかけて、先住民族の集団的権利確立のためのプロジェクトを推進しているホルヘ・モラーレスを電話で脅迫。12月14日には事務所から尾行し、路上で銃口を突きつける。 
 2009年2月2日、アルタ・ベラパス県のカアボンにおいて、鉱山開発やダム開発の文化的・環境的な影響調査の支援作業を行ったネリ・ロメオ・コック・チョックを誘拐。車に押し込んで、殺害すると脅迫。更に所有していた報告書のコピーを強奪。 
 こうした事件を踏まえ、先住民族組織では司法当局などに対して厳正な調査、特に暗殺団の解明と解体を要請している。[2] 
 現在、グアテマラでは新鉱業法が議会のエネルギー・鉱業委員会で審議されているが、企業に対する免税措置が維持されるなど鉱業促進の色が強く出ている。先住民族組織は新しい鉱業法案について、先住民族の権利を十分に保障していない上に、憲法に定められている基本的な人権を侵害していると告発している。[3] 
 司法制度が脆弱化し、犯罪者が野放しになっているグアテマラではあるが、地域住民の権利を十分に尊重した法律を施行し、それを履行することがこのような人権侵害を防ぐためには不可欠であろう。(0902.27)

 付記:[1]の事件についてはいまだ調査も行われず、当時検死すら行われなかったと報告されている。この事件について、厳正な調査を要求するレター文例>>>090307 carta.pdf

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グアテマラ | 経済・政治・国際
2009/03/07




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