『L change the WorLd』『L change the WorLd』(2008年)を観た。中田秀夫監督。主演は松山ケンイチ。なんだか、生物兵器としてのウィルスとか、地球環境を守るために人類を減らそうとする計画とか、タイでのロケとか、そういうのはどうでもよく、要は、L萌えのためのプロモーションビデオであった。
言い換えれば、本編でのクールなLを、いろんなシチュエーションにおいて遊んでみた、というもの。苦手な子どもを絡ませてみたり、秋葉原のメイドカフェに連れていってみたり、自転車に乗せてみたり、背筋を伸ばさせてみたり、等々、L萌えの方々の欲望を、ごくだらしなく、ひとつひとつ実現させてみたというだけの話。
スピンオフにはたぶん二種類あって、ひとつは本編の世界観から派生する別種の物語を描くことにより、本編の世界観そのものに深みをあたえるもの。もうひとつは、本編の世界観からは切り離された地平にキャラだけを抽出してきて、いろいろなシチュエーションを組み合わせ、本編との落差を楽しませるもの。
本編との関係という面では、前者は補完的かつ批評的であるのにたいし、後者は依存的かつ没批評的。この分類からいえば、本作品は後者にあたるだろう。物語などどうでもよいという、同人誌的なノリを、こういうふうにベタになぞるのもよいが、もう少し批評的な視点があってもよいかと思った。
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