今年の政治(2) 二人とも、既成の体制の中に活路を開拓しようとした。
一貫して流れている思想は、
「官」の支配を離脱して、政治を自由な主役にすることだ。
原敬は、南部藩家老の家に生まれた。
南部藩は、賊軍にされ、維新体制の外に置かれた。
明治の官僚は、薩長藩閥が築きあげた牙城だ。
賊軍の子が、その体制を変えたいと思うのは自然だが難しい。
正攻法で考えれば、武力革命を起こし、権力を奪取するしかない。
明治10年までの形勢はそうなっていた。
しかし、各地の乱も西南戦争を頂点にして敗れ去った。
時あたかも帝国主義的侵略の最盛期だ。
いつ日本も、植民地にされ、人民は奴隷にされるかもしれない。
ならば、薩長で好い。国力を集中して外敵にあたる方が先だ。
形勢を見て取った原敬は、トロイの木馬のように、城壁の中へ、
藩閥政府の懐に飛び込んでまず、一部の権力を掌握する方を選ぶ。
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