深夜バスは行く

昨日の夜、銀座で飲んでいて、気がついたら終電の時間を過ぎていた。
しまった。ピンチである。
しかし、こんなときのために最後の手段があることを思い出した。

新橋駅銀座口の真ん前にバス停がある。この都会のど真ん中のバス停に、「下ヶ谷」「氷取沢」「宮ヶ谷」といった超ローカルな地名が刻まれていることを東京の人々はおそらく知らないだろう。
横浜のはずれ磯子区のそのまたはずれの、山と畑と動物園とゴルフ場しかない地域。地元の住民だけが
知っている地名。こそばゆいような、不思議な気持ち。
このバス停から一日一便、私の住む山里へ向けて深夜バスが出ているのだ。

新橋駅0時55分発、金沢文庫行き。
新橋を出た後は、品川でさらに客を拾い、そこから高速道路に乗って一気に上大岡へと走る。
じつは私はこのバスを利用するのは初めてだった。
快適で、爆睡しているうちに一瞬にして上大岡に着いた。
ここで何人かの客が下車する。いっしょに飲んでいて道連れになってくれたIさんもここで降りた。
ここから我が家まではもう目と鼻の先である。
見なれた笹下釜利谷街道をバスは進み始める。
安心して、私は、ふたたび眠りに陥ってしまった。
ハッと気がついたときは我が家の前の停留所をとっくに通り過ぎていた。
いかん…。

深夜の道をとぼとぼと歩いて帰った。

2009/07/11




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