ウィーン 我が夢の街

ズイーチンスキー 作曲のこの歌を初めて聴いたのはアルゼンチンのタンゴ歌手カルロス・ガルデルだった。その流れるような甘い歌声、郷愁たっぷりの歌を聴いたときの感激を未だに忘れることが出来ない。

ウィーンへは仕事で2回観光で1回と合計3回訪れたがあの優雅で上品な街並み、シェーンブルン宮殿、シュテファン大聖堂をはじめとする豪華な建物、バベルの塔を描いたブリューゲルの絵画が展示されている美術館etc何度訪れても飽きることがない。また訪れた際はこの「ウィーン 我が夢の街」の曲が脳裏を離れない。

偶々先日NHKハイビジョンでウィーンフォルクスオーパ、メラニーホリデイ演奏会の様子が映し出されメラニーが歌った「 ウィーン 我が夢の街」を聴いて新たな感動を覚えた。同時にカルロス・ガルデルの歌では判らなかった日本語の歌詞がテロップで流されこの曲のイメージが大きくふくらんだ。

著作権の問題で全曲転載できないのが残念だが1番では「我が家も同然のウィーンの街の素晴らしさを讃え万一ここを去らねばならないとなったら恋しさが募るだろう」と歌われ2番では次のように続いていく。

「私の意志にかかわらず
いつか この世を去らなくてはならない
この幸福ともお別れなのね すべてに終わりがあるのだから
いや私は消え去りはしない
天に昇り 腰を下ろすの ウィーンを眺めるために
シュテファン大聖堂が見上げて あいさつして呉れる

遙かかなたから 聞こえてくる歌声
その調べは心に響き 私を引きつけてやまない
ウィーンウィーン あなただけが
私の夢の街になれるのよ
その古きたたずまい 行き交う愛らしい娘たち
ウィーンウィーン あなただけが
私の夢の街になれるのよ 幸せに浸るところなの
あなただけが私の夢の街になれるのよ
ウィーンウィーン 私のウィーン」(NHKハイビジョン放送 テロップより)

「いつか この世を去らなくてはならない、この幸福ともお別れなのね、すべてに終わりがあるのだから」と歌詞を読んで気付いたのは作曲家ズイーチンスキー、ないし作詞家の頭の中に死後の世界がじつに明るく描かれていているということだ。「そもそも造物者は私を大地に載せるためにこの体を与えてくれ、私が苦労するために生命を与え、私が安らぐようにと老を与え、そして休息させるために死を与える」とは荘子の言葉(老子・荘子 野村茂夫訳 角川ソフィア文庫)だが天国で腰を下ろしてゆっくり休息しながらウィーンを眺める・・その発想が東洋的で明るく面白いこの歌が一層身近に感じられるようになった。

Aug 16, 2008




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