奈良博より奈良博へは、『鑑真和上展』を最終日の前日にすべりこみました。鑑真像は数年前、唐招提寺御影堂で、東山魁夷の襖絵を背景に厨子の中にはいっているのを見ました。今回はガラスケースの中に入っている像です。どちらがいいかというと、遠くからでも、御影堂の中に安座している像のほうが威厳があって、ありがたさが違います。博物館では、確かに四方からみることができましたが、それがどうした?という気がします。鑑真の像としての威厳の感じ方は細部を観察することではないとおもいます。細かいことをいうときりがないので、鑑真像については論評しないこととします。
さて、この展覧会で、はた、と足がとまった仏像があります。木心乾漆造の菩薩頭です。乾漆部分はほとんど剥落していますが、目をみると、右目は完全に乾漆層が剥落して、木部が現れています。その彫りは、まさしく大法寺の観音菩薩像のように、眼球のふくらみをあらわしていました。そのうえに乾漆層があって、そこから眼の表現をしたのでしょうが、それにしても、眼球がふくらみすぎています。これから、数ミリでも乾漆層を重ねると、眼がとびでるようになってしまうのでは、と危惧するほどです。
最近、仏像の眼の彫り方が気になり、注意して見ているのですが、普通の仏像(如来、菩薩像)では、あまり眼球にふくらみをつけることがないのですが、その中でも眼球のふくらみをつけて、そこにマブタを彫るという仏像があるのが、見受けられます。
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