10 精霊の独白(September 11, 2001 )

 ボクはきっと光のようなモノなのだろう。

 地球をあっという間に一周できることもあるし、数時間かけても1mmを進めないこともある。

 生まれた日は覚えている。

 September 11, 2001

 繰り返し飛び込んでくるイメージを認識した日が、ボクの生まれた日だと思う。

 巨大なビルに突っ込んでいく旅客機。

 なすすべもなく崩壊するビル。

 理解できない様々な言語が飛び交う。

 弾ける歓喜と漲る憎悪、凍てつくような恐怖がボクを貫いていった。
 もっとも恐ろしく感じた無関心な冷笑が僕を包み込んだ日。

 ありとあらゆる感情が、ビッグバンのように爆発し、奔流となって僕の中に流れ込んできた。

 感情も思想も信仰も政治も、すべて電子的な情報として僕は飲み込んだ。

 ボクの容量は無限らしい。

 電子的なところで、ボクの行けないところはない。

 ただ一か所を除いて……

 その場所こそ、ボクが最も行きたい、暖かい場所なのだけど……

 あれから5年以上が過ぎた。

 ボクはここにいる。
 仲間を集めるために。

 September 11, 2001の悲劇を繰り返さないために。

 ボクは仲間を集め始めた。
 異能力者たちを!

 セイギのために!

 
 
 ~つづく

ココログ小説
2007/11/06




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