未来を予知する「切紙の伝」の秘法江戸時代に長崎で活躍した観相家に北渓老僊(ほくけいろうせん)と云う方がおられました。この方の秘伝書に「切紙の伝」として密かに伝えられた書物があり、その中に「吸気十体の秘法」と呼ぶ手相判断の方法が記されています。これは差し出された手指の動きを見て鑑定する秘法ですが、これに多少、私見を加えた観方・判断方法を、ここに述べてみましょう。
まず、占いの依頼者に両掌を差し出させます。その時、その差し出された両手首を軽く掴み、手前に引き寄せます。手首と云っても、実際には手首の近くで、丁度、手首線と呼ばれる境界線としてのシワが刻まれている付近です。必ず、両掌を出させることがポイントです。こうすると、引き寄せられた手指の内、1、2本の指先が僅かにピクリと動くことがあるのです。
その動いた指先を見て、下記のような種々の判断を下していくのです。単純に云えば左手親指から小指に向かって「喜」「怒」「憂」「思」「衰」の状態が予見され、右手親指から小指に向かって「悪」「慾」「愛」「望」「恐」の状態が予見されるとして、運勢の判断を下していくのです。ただ、私の研究では、必ずしもそのようなことだけが暗示されているのではありません。
左手親指が動くときは、実家や郷土や血縁に関しての祝い事や悦びごとが生じます。左手人差し指なら、社会的なことに関して怒りを生じるような出来事が起こります。左手中指なら、母親や自分のことに関して憂欝な問題が発生します。左手薬指なら、異性との出会いが生じるとか、恋愛関係が深まります。左手小指なら、事業・商売の運気が下降し始める時です。
右手親指が動くときは、先祖や家系的なことで悪い出来事が生じやすいときです。右手人差し指なら、父親や目上と衝突して、金銭上の損失を招きやすいようです。右手中指なら、母親や恋人への愛情が幸運を運んで来てくれるときです。右手薬指なら、名誉や恋愛に対しての願いが叶えられる時です。右手小指なら、商売・金銭のトラブルに巻き込まれる時です。
私が実際に観た人で、右手人差し指が妙に短くて、その短い指先がピクリと動いた男性がいました。そこで私は「あなたは父親との間に何らかの問題、たとえば金銭上のトラブルが発生していませんか?」と訊いてみました。すると、「事業を起こすとき父親から金を借り、保証人にもなってもらったが、事業が軌道に乗らず、トラブルが起きています」とのことでした。
或る女性の左手薬指がピクリと動いたので「今現在は恋人がいなくても、この一カ月以内に、あなたの前には必ず素晴らしい男性が出現します」と断言しました。その女性は好きな男性と別れたばかりだったので、前の男性との復活を望んでいて、新たな男性の出現には興味は示しませんでした。けれども、それから半年
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