現実の裁判手続を体験して感じたこと 《PartⅤ》

第十二章 建物の滅失登記について
第一節 序論
 当該建物が解体された(平成21年5月15日)後の当該建物の登記は,実体を伴わない虚偽の登記であり,『無効』でありますが,いわゆる『登記の形式的確定力』(登記の形式的確定力とは,ひとたびなされた登記が存在すると,その登記が有効であるか無効であるかを問わず,その後,登記手続上は当該登記を無視して手続をすることができない効果をいいます)との関係で,『当該建物の滅失登記』をしておく必要があります。ところが,建物の滅失登記の申請は,『当該建物の表題部所有者又は所有権の登記名義人』を申請人とする『単独申請』であります。そこで,原告Aは,被告Cに当該建物の滅失登記の申請をするように求めていたわけですが,被告Cは,いつになっても建物の滅失登記の申請をしようとしません。このように,被告Cはお金のかからないことはするが,積極的にお金がかかることは絶対にやらないという姿勢をとっているものと思われました。しかし,私の兄である原告Aとしましては,今後も,当該土地を第三者に賃貸しようと考えている関係上困っておりますので,職権により,当該建物の『滅失の登記』をしていただく必要がありました。

第二節 建物収去土地明渡等請求の訴えにおける建物の滅失登記に関する法的欠陥(不備)
第一款 この種の訴訟に関して記述している書物で,『建物の滅失登記』に言及しているものは1冊もありませんでした
 上述のように,建物収去土地明渡等請求の訴えの場合,最終的には,『建物の滅失登記』をしないと,この事件は本当に解決したことにはならないのです。
 ところが,私がこの兄の事件に関して読んだ専門書は20冊(裁判事務手続について最も権威のある書物は民事法務研究会で発行している裁判事務手続講座全16巻です)を超えますが,この種の事件においては,『建物の滅失登記』の問題があるということすら記述している書物は1冊もありませんでした。これらの点からしますと,私は,これらの書物を執筆している弁護士,裁判官,裁判所書記官達は,このように,ある意味では典型的な事件である『建物収去土地明渡等請求の訴え』についてさえも,本当に解決したこと,あるいは本当に解決することに協力したということが全くないものと確信しました。現実に,この種の事件につき,直接関係した(当事者又は訴訟委任を受けた)者であるならば,この種の事件については,最終的には,

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学問・資格
2010/03/19




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