TCCのことこの話は一生書かないでおこうかな、と思っていたけど、そろそろいいかなと思う部分もあり、今ならルサンチマン風味を加えずに書ける気もするので書くことにします。TCC、つまり東京コピーライターズクラブのこと。
私は、TCCの会員ではありません。TCCに入会するには、年に1回行われるコピー年鑑作品募集の新人部門に応募し、新人賞を受賞しなくちゃいけなくて、私がTCC会員ではないということは、つまり、新人賞をもらっていないということ。
私の世代のコピーライターにとっては、TCC新人賞はコピーライターの登竜門的なところがあって、私も例に漏れず、TCC新人賞は大きな目標でした。確か、計8回ほど応募したはずですが、ノミネートが3回で、ついに縁がありませんでした。ちなみに、募集要項は、単独コピーライター作品(つまり複数のコピーライターがかかわっている仕事は除外)で、印刷だと5点必要。年に十数人が受賞します。
私にとって、TCC新人賞をもらっていないことがコンプレックスになっていました。私のことを「コピー侍」という、言われた本人が少し照れてしまうような愛称で呼んでくれる人もいるし、そんな愛称で呼ばれてしまうくらい広告コピーが大好きで、今もなお1行の力を信じて仕事をしているけれど、そんな私はTCC会員ではない。そのことに、なんとなく引け目に感じることが今もあります。人からは、今どきTCCは権威じゃないでしょ、と言われたりもします。また、私の仕事や作品を知る人からは、えっ、TCC会員じゃないんだ、と驚かれることもあります。そんなとき、少し引け目を感じる自分は、なんだかなあ、と思ったりもします。
私自身、TCCなんて関係ねえよ、と思っていたわけでもないし、恋い焦がれていた時期も確実にあったし、だから、そのこと自体はあるがままに受け止めるしかないのだろうな、と思います。ただ、これからも新人賞を狙っていこう、とは思わないんですね。年齢の問題でもなく、私がもうクリエイティブ・ディレクターだからでもなく、自分の仕事のあり方として。TCCという価値観があり、その価値観と縁がなかったのであるならば、その価値観とは違う価値を提示していくのが私の役割なのではないか、というかそういう役割を担ったほうがおもしろいのではないか、とある時期に思ったからです。だから、いっそのことTCCに応募するのはやめてしまおう。数年前に、そんなふうに思いました。
それは、もしかすると自分の中のルサンチマンのねじれた決着の付け方だったのかもしれないけれど、まあ、そういう決意をすることで、TCCが持っている広告の価値感とは違う価値を本気で提示しなければいけない状況に自ら追い込むこともできるだろうし、それは、私の仕事の取り組みにおいて
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