プレゼンの時、声が震えて、心臓がバクバクして、汗が噴き出し、自分で何を話しているのかがわかんなくなって、会議室から逃げ出したくなることはありませんか。かつての私は、まさにそんな感じでした。プレゼンが大の苦手だったんですね。「プレゼンの極意」みたいなハウツー本もたくさん読みました。でも、駄目でした。クライアントのビルが見えてきたあたりから、胸が苦しくなってくるんですね。プレゼンが始まって、営業やマーケが流暢に話し、クリエイティブのパートになって、いざ話し始めると、あっ、やっぱり駄目かもしれないと気づいて、言葉に詰まって、涙が出そうになって、周辺が私の異変に気づいて、急に会議室がシーンと静まって、鉛のような重い沈黙の中で、このまま世界が消えてしまえばいいのにと何度も何度も思いました。
大きなプレゼンだとなおさら惨めです。責任も大きいから。新人の頃、はちゃめちゃなプレゼンをして「君の言ってることはさっぱり分かりませんでしたが、広告はよく出来てるから、これで行きましょう」みたいな粋な得意先の方もいたりして、そのほほえましいエピソードを中心に笑い話にして書こうかと思いましたが、当然そんないい話だけではないし、悲惨な話もあるし、今、かつての私と同じようにプレゼンが苦手で苦手でしょうがない人たちもきっと読んでくれていると思うから、きちんと書こうと思います。こういう悩み、うまく話せる人には理解できないから、すごく孤独になってしまうんですよね。プレゼンでうまく話せない人は、そのことで、これからのキャリアを悲観的に見てしまうものだと思うし。かつての私がそうだったようにね。だから、この文章は、かつての私と、プレゼンが苦手なあなたに向かって書いています。
今、私はプレゼンはそれほど苦手ではありません。というか、むしろ得意な方だと思います。かつての私は、自分がそんなふうになるなんて絶対に信じませんでした。先輩に「どうしたらプレゼンで話せるようになるのか」と聞いたりしました。その先輩は「慣れだよ、慣れ」と言いました。その先輩のアドバイスを聞いて、その頃の私は「絶対に慣れなんかで直らない」と思いました。でも、今こうして振り返ると、やっぱり慣れなんです。
場数を多く踏むと、それなりにその後の展開が見えてきたりします。その数を増やすことは大切です。多くのパターンを体験すると、そこから学ぶことがあります。それは、驚くような展開などそうそう起こるものではないということなんです。ほとんどはある類型に収まります。あっ、このパターンだな、ということが読めるようになると、心に余裕が生まれます。プレゼンがうまくできないのは、自分に予期できないことが起こるんじゃないかという不安が原因です。要は、その不安の要因を取り除くことが大切なのです。簡単な理屈ですよね。でも、それには、場数しかないのです。試練だと思ってください。結構長いかもしれないけれど、いつか、うまくプレゼンが出来るようになります。あっ
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