08 断片化する武田 / 京都陳列館門柱 わたしは執念深く武田を追ってきた。これが武田の設計した京都陳列館の門柱であることは、まだあまり知られていないだろう。断片化する武田のひとつ。岡崎公園、京都市美術館の裏門である。陳列館は1910年竣工、武田43才の作品。陳列館は京都市美術館建設のため解体され現存しない。こいつだけが残っている。門の向こうは動物園。こどもたちが楽しそうなようすを、こいつはずっと見ているわけだ。
わたしは武田作品と武田物件とそれほど区別しない。武田物件とは武田の影響を受けた作品のこと。先に見た御大典記念京都博覧会門柱などがそれだ。武田作品であっても、実際に武田がすべての図面をチェックしたわけではない。弟子の作品だって、よっぽど武田らしいものがある。ようは武田っぽさを楽しめれば良いわけだから、厳密に区別してはもったいない。ところがこれは、まがうことなき武田本人による武田作品なのである。なぜか。それは細部を見ればよく分かる。
よく見てみよう。1本の門柱は3つの部分に分かれる。基底部と門柱部と柱頭部。門柱部と柱頭部は柱頭部は3:1の整数比になっている。しかも柱頭部は立方体だ。武田らしい幾何学的処理は、初期から発揮されている。
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