04-03 銀の橋の謎 付論|桜宮橋(大阪市)
ひとつ最初に断っておかねばならない。銀橋は構造家と建築家との合作だと武田は言う。それは、橋の本体を構造家が作り、建築家がこの階段塔を作った、というわけでは決してない。この階段塔はもっぱら建築家のデザインであることは間違いないが、武田の本意は大アーチ本体をデザインすることにあった。アーチのディテールを見れば、そこここに意匠的な配慮がほどこされていることは見てきたとおりだ。
さて、階段塔である。よく見てみよう。屋根下の角のところに照明のようなものがはまっているのがかっこいい。このあたりモダンデザインだ。その下に「ロマネスク調」と言われたアーチがある。このアーチが、図のように正方形の対角線の交点を中心とする円であるという幾何学的処理が、いかにも武田的だ。アーチの縁を丸く仕上げたところ(写真)は武田らしくない古典的な納まりのように見える。ただし、全体の「あっさり感」は、この階段塔のデザインに武田の手が直接入っていることを思わせる出来映えと言えよう。
この階段塔が不思議なのは、レンガを使ったこと。モダンデザインを指向しながら、なぜレンガを使い、あまつさえ古典的なレンガの納まりを使ったのか。これは武田の言う「周辺との調和」のためとわたしは思う。橋の左岸は鐘紡の紡績工場群、右岸は造幣局。どちらもレンガ造りの工場街だ。それを通り抜ける国道1号線が、銀橋の大アーチのろっ骨の中を走り抜ける。レンガ色の階段塔は橋の付属物というより、工場街の付属物として風景に溶け込んでしまう。それがレンガを
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