妖精の憂鬱ドラガン・ストイコビッチ監督は、不機嫌を隠そうとしなかった。時おり見せる笑みは、少し自嘲気味で、アンニュイな気配が漂っていた。2日前、大好物である「納豆の日」を祝したときのピクシースマイルは、結局最後まで披露される事はなかった。試合が終了してもなお、名古屋の指揮官はベンチに座ったまま微動だにしなかった。どちらかといえば激情型に分類される彼から、一切の放熱を感じなかったのが、逆に不気味ですらあった。
“中東採用”が決定したストライカーを強行起用(?)したが、結果として一人勝手に熱くなり、完全自滅。ご丁寧に累積警告4枚でリーグ戦最後のホームゲーム欠場を自ら宣言するオマケつき。この夜、完璧なるヒールを演じたダヴィは、腕組みしたまま立ち尽くす監督と、一度も目をあわさずにスタンド内へ消えていった。その後も交代投入した選手が負傷退場してしまい、数的不利のまま反攻の機を逸するなど、歯車が噛みあわないまま。
端正なマスクが怒りに歪んだ瞬間があった。『ピクシーではなくミスターと呼んでくれ』昨シーズン、Jの舞台に復帰してからチーム内外へ通達し続けてきた“妖精の要請”だ。鋭い眼差しで睨む先には、反撃の夏の開幕に沸く青と赤。『ミスター…あれはピクシーでなく、セクシーと歌っているのです』通訳が申し訳なさそうに耳元で囁く。ピッチ内外で翻弄されている事に気づいたピ…ミスターは憤然とベンチに座ったきり動かなくなった。
表情を凍らせた妖精、水曜にむけ何を思う。
【2009年17節】 FC東京(3-0)名古屋グランパス ※観衆24,736人
■ ■
2009年07月12日付
現在の青赤指数=67(△)
■■■■■■■■■■10発狂
■■■■■■■■■■20絶
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