【書評】浅野房世・高江洲義英著『生きられる癒しの風景――園芸療法からミリューセラピーへ』(人文書院、2008年)生きられる風景
小川洋子の『物語の役割』に出合って以降、評者は言葉に先立つ映像の重要性に目を開かされた。心理学の領域ではたとえば箱庭療法などが前言語的映像の秘める可能性を深く自覚していたものと思われる。本書は人間をいわば〈環境内存在〉として理解し、とくにグリーフケアの現場を取り上げつつ、そこに展開しているケアの最前線を特に風景に焦点を当てながら、園芸学、芸術学、精神医学の合流点に立つ治療者の視点から紹介するものである。浅野氏は植物介在療法の専門家、高江洲氏は精神科医で、いずれも上記の領域で複数の学術賞を受けた第一線の研究者である。
まずは目次を挙げておこう。
Ⅰ 生きられる空間と風景
Ⅱ 癒しと緑の関係
Ⅲ 園芸療法とミリューセラピー
Ⅳ ミリューセラピーの実例
Ⅴ 生きられる癒しの風景を求めて
また巻末には充実した参考文献一覧表が掲載されており、新しいこの領域に今後踏み込もうと試みる
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