劇評「まほろば」

久しぶりに大いに笑った。いや、当事者にしてみれば深刻な問題なのだから、不謹慎といわれそうで声に出すのは我慢した。
四十才をすぎたばかりのキャリアウーマン、ミドリ(秋山奈津子)が休暇で帰郷して母親ヒロコ(三田和代)にいうことには、自分は生理がないから早めの閉経期を迎えたらしい。母親はびっくり仰天。土地の旧家、藤木家の嫁として、娘二人のうちどちらでもいいから婿をとって跡継ぎを生んでもらわねば家は途絶える。そんなことになってはご先祖様に申し訳が立たない、死んでも死にきれない。下の娘、二女のキョウコ(魏涼子)は十代で相手のはっきりしない女の子ユリア(前田亜希)を生んだが、その子もとうに二十歳、世間を狭くしてまともな結婚など望めそうもない。一人ミドリに賭けていたが、それがなんと、子種はともかく畑が枯れた?!万事休すか?

シリーズ『同時代』の第三弾は、蓬莱竜太の書き下ろしを栗山民也が演出。むろん僕としては、蓬莱竜太についての知見は何もなかった。76年生まれの三十二才というから若い。若いに似合わずキャリアは長いようだ。こういう骨格がしっかりしていて、ディテールまで行き届いたおもしろいものを書ける才能を高く評価したい。

全編長崎弁で通す、女性だけ六人の芝居。長崎のどこかにある田舎町、そこの旧家の座敷が舞台。障子が開け放たれ、縁側の向こうには植栽の緑が濃い庭が見える。縁先に大きな祭り提灯が下がって、遠くから太鼓や笛の音がかすかに聞こえてくるところを見るとどうやら町は祭礼の日らしい。
舞台には、十二三才くらいの女の子と老婦人。女の子は漫画でも読んでいるのか腹這いになって足をあげてぶらぶらさせている。老婦人はこの家の隠居タマエ(中村たつ)。縁先を眺めていると、遠くから祭りの喧噪が伝わってくるのに、女の子がタマエに「この村の神輿はなんで女が担いだらだめなの」と聞く。この辺は大事な伏線になっているのだが、その答えが返ってくる前にヒロコが現れて、「あんた、誰?」。なんと、この家の家族ではなかったのだ。
女の子は本吉マオ(黒沢ともよ)。どうやら二女のキョウコがつれ

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劇評
2008/10/31




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