劇評「鳥瞰図」

若手の作家の書き下ろしを上演するシリーズ「同時代」の第一弾。早船聡の名前は聞いていたが作品を見るのは初めてである。
舞台は、上手半分が安物のパイプ製テーブル椅子がいくつかおかれた場末の食堂風。鴨居の上に昔の東京湾の風景と思しき古い写真が一枚、大物の魚拓数枚の間にならんでいる。端に流しがあり、その横に釣り竿が何本も立てかけてあるところをみると、遊漁船をやっている釣宿らしい。舞台奥が通りに面した出入り口でそこにも釣りの道具がぶら下げてあったり、脇にアイスキャンディの冷凍ボックスが置いてある。
下手半分は上がり框から上が畳敷きの居間になっていて、ちゃぶ台やいまはなつかしい茶箪笥、テレビに仏壇まで置かれている。奥には台所の流しと、洗面台、二階に通じる階段があり、一家の生活があからさまに見えている。
近頃はすっかりご無沙汰だが、僕も釣りをやるのでこういう店はよく知っている。大概常連が多いのであけすけな付き合いになるものらしい。三浦半島のある釣宿では沖からあがってくると家族の昼飯である熱いうどんのご相伴にあずかったこともある。東京湾ではもう少し商売気があるから食堂風にしつらえているのだ。この装置は実にうまく特徴をつかんでいてリアリティがあり感心した。島次郎の守備範囲の広さを示したものといえる。
東京湾の古い写真は、この辺りがまだ埋め立てられる前の風景であり、かろうじて干潟が残っていた手つかずの自然と、同時に三代に渡って

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劇評
2008/09/04




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