トマスによる福音書(6)この本は、『トマスによる福音書』の古文書発見経緯、『グノーシス派』の思想背景、それに114個のイエスの言葉の内容と解説で成り立っていて、スラスラ読める内容ではありませんが、梅爺のように、このような、分野に興味を抱いている人間には、大変啓発的なものです。
『宗教』と『哲学』は異質な文化にも見えますが、『神(仏)』を前提に考えるか、考えないかの違いで、人間にとって『不可解なもの』に対して、『知性、理性』で、納得できる『論理』を追求しようとする点では、同質のものであるように思います。『宇宙のカラクリ』『人間の脳のカラクリ』『生物進化のカラクリ』などに、人間が科学知識を保有していない段階で、『何をどう考え納得しようとしたか』とみれば、与えられた環境の中で『矛盾のない仮説』を考案したいという姿勢ですから、『科学』とさえも本質は同じとも言えます。
現代は、次々と『科学』が新しい知識を供給していますので、今後は、その知識を前提に考えることで、『哲学』や『宗教』が変貌することも十分にありえることと思われます。『天地』や『人間』は、少なくとも今私達が『観ている形』で創られたものではないことは、『ビッグ・バン』や『生物進化論』で明らかになっていますので、私達が『観ている形』で、『神』が、7日間で創造したものではないことは、多くの人にとって異論の無い話ではないでしょうか。しかし、これらの知識は、人類が獲得してからまだ150年程度しか経っていないわけですから、2000年程度昔の人間が、何をどう考えたのかは、その時代と同じ前提で理解する必要があります。むしろ、知識が無い中で、よくここまで洞察できたなと、梅爺は感心してしまいます。
『宗教』と『科学』は、同分野ではないとも言えますが、『科学』は、今後も絶え間なく『宗教』の基盤に影響を与え続けることになると梅爺は思います。一方、『精神とは何か』は、『科学』の追求対象でありますが、『精神の価値』は、科学が決めるものではない、と考えています。『音とは何か』は、科学の追及対象ですが、『音楽(作品)』の価値は、科学で決まらないのと同じ話です。
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