ズ37 ズッコケ脅威の大震災
第37巻。98年7月刊です。
地震のお話です。大地震です。花山町が壊滅的被害。
前々回に、ズッコケはシリーズを通して舞台設定が変化せず、舞台の変化は各巻のうちで元通りに納まると書きましたが、その法則が適用されません。最後まで、団地も八谷商店も再建されないのです。
おそらくこの巻は「番外編」のようなものです。次巻には地震被害などなかったことになってるはずです。
ストーリーらしいストーリーもありません。井戸の枯渇やボラの大発生といった前兆があり、数日後に大地震発生、三人組はじめ町内の人たちが避難所になった小学校で暮らし始める……というものです。非常時にあって助け合う家族の姿や友情の美しさなど、それらしい見所はあるにはあるのですが、なかなかズッコケを読んでいる気になりません。ちょうど防災パンフレットを見ているような気分になりました。
96年に出た34巻の宗教ネタがタイムリーだったのに比べ、この巻はそうではありません。宗教ネタが盛りあがったのと同じ年に全国的に知られた大震災がありましたが、すでに三年以上経っています。では、ここにきてなぜ地震なのでしょう。ストーリーの起伏より震災の細部描写に力点が置かれた意図は。……すぐに思い浮かぶのは、「地震被害の実態を、より正確かつ具体的に実感させるため」というものです。子供の世界にはよくある意図で、僕が小中学生のころは、この「地震」が「戦争」になったものがいくつかありました。大切なことなので当事者になったつもりでよーく想像してみましょう、というやつです。
しかし、もし本当にこういう意図があったとしても、僕にはほとんど効きませんでした。それは、僕が昔からそういう啓蒙的善意が苦手だったからだけではなく、地震について子供よりいくらか多くの
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