ズ35 ズッコケ三人組ハワイに行くハワイに行くお話です。
ガムの包装紙を十枚集めて応募する「ハワイ三名様ご招待」に、モーちゃんが当選するのです。
三人がどこかに行って帰るお話といえば、第24巻。あの修学旅行を思い出しつつ読み進めました。
巻頭、モーちゃんが当選するくだりに続き、パスポートの申請に必要な書類や各種手続きなど、実践的な「海外旅行マメ知識」に頁がとられます。小学五年生のうちに申請すると手数料が半額ですむそうです。小学校業界での超メジャー書籍で紹介されたのに「五年生の誕生日プレゼントにパスポート」が流行しなかったのが不思議です。パスポートの次は海外旅行必携品の準備、新幹線のぞみ号、成田エクスプレスと続き、巻の四分の一を過ぎてとうとう出国することになります。
どうやら本当に「行って帰る」お話らしいと察せられたのですが、僕は修学旅行の二の舞を心配するのとは別の感慨の中にいました。
それは、ああ、このお話は長いシリーズの中のひとつなんだなあ、ズッコケシリーズは安定期にあるんだなあ、という感慨です。ズッコケは大河ドラマではないので、各巻を通して時間は流れません。また、読みきりとはいえ、設定は全巻で維持されるので変化することはありません。三人の誰かが転校してしまうこともありえないわけです。ドラちゃんがどんなに革命的なアイテムを出そうと、最後にはオチがついてノビ少年の能力や社会的ステータスが元のままにおさまるのと同じです。トンカチで叩かれた大きなコブが次のコマで治る漫画よりもさらに自由度の少ない児童書において、「どこかに行って帰る」お話というのは、始まりと終わりに変化をもたらさずにバリエーションをとる一般的手法なんだな、と。ああ、そういうことなのかと思ったわけです。で、「行っては帰る」「五十巻」「お定まりキャラ」「安定シリーズ」といえば、わが日本にはフーテンのタンカ売映画があります。かの名シリーズも、甥っ子
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