ズ29 ズッコケ三人組のミステリーツアー

第29巻。94年7月刊です。
オカルトものではなく事件ものです。ミステリーツアーといっても南海の孤島や廃墟には行きません。二泊三日のバス旅行です。

バスツアーといえば、テレビの二時間サスペンスドラマで僕が唯一好きな設定です。 「お見合いツアー殺人事件」やらの、あれです。バスツアーものには、どこか楽天的な雰囲気があります。しょうらい、テレビから一切の暴力や殺人シーンが禁止されることがあっても、バスツアーものだけは例外扱いされるのではと思うほど、深刻さを寄せつけない何かがあります。

で、この巻のお話。元々はハチベエの一家が市内の旅行会社から無料招待されたツアーだったのを、ハチベエの両親が酢蛸にあたったため、三人組で参加することになります。このツアーは、あらかじめ行き先が知らされない、福袋のような旅行なのです。客はすべて主催旅行社のツアーを利用したことがある人の中から無料で招待された老若男女、小さなバス一台、十五人の旅です。
お話が動き出すのは、初日の宿に到着した頃です。ツアー客の全員が、山口県長門のそのホテルに憶えがあることがわかります。なんと、今回招待された客はどうやら無作為に選ばれたのではなく、十年前に同じ行程のツアーに参加したメンバーだったのです。一歳のハチベエも両親と参加していたわけです。もちろん、ただの旅ではありません。ある事故が参加者の誰もに苦い思い出を残したツアーだったのです。事の成り行きに驚き戸惑う客たち。記憶のないハチベエと連れの二人を除いた全参加者の胸に、十年前の惨劇の記憶がよみがえります。今回の旅を仕組んだのは誰なのか。またその目的は…。そして、ついに起る新たな事件。それはまるで十年前のできごとを再現するかのようで……。
…というお話です。サスペンスドラマをよく見る人には既視感いっぱいでしょう。

そもそも二時間ドラマのバスツアーものの楽天さの由来は、バス旅行を供にするメンバー構成の、浮世離れした多彩さにあります。例えば、お見合いツアーなのに徹底的に無愛想なコワ面がいたりします。生涯の伴侶と出会うためではなく、最初に犯人として疑

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ズッコケ | 書籍・雑誌
2008/10/28




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