2009/07/02 Thu *まぼろし / Ronnie Lane's Slim Chance
まぼろし。
そう。まぼろし。
瞼の裏に。
胸の内に。
心の底に。
そこにしかない。
ないはずなのに。
見える。聞こえる。感じる。
触れられる。
確かにここにある。
そんなはずは無いのにね。
そんなこともあるのかな。
『One For The Road』'76年リリース。
フェイセズ脱退後にロニー・レインが結成したスリム・チャンスの3rdアルバムにして最後のアルバム。
生粋のモッズで。大のR&Bフリークで。スモール・フェイセズ、そしてフェイセズのメンバーとして颯爽と。
そう常に飄々としながらも颯爽とスポット・ライトを浴びていたロニーが、スリム・チャンスと共に求めたのは。
なんとも穏かで心休まる様な。カントリーやトラッドの匂い、香りが濃厚なサウンドだったのです。
ウェールズの農場で農作業に明け暮れながら。気儘にバスにテントを積み込んで芸人も引き連れて旅から旅へ。
そんな生活を送りながら。まるで郷愁を求めるが如く。土や陽や、そして風の匂いのするサウンドを求めて。
伸びやかに歌い奏でるロニーの姿は微笑ましくて。でもどこかにほろ苦さを感じてもしまうのです。
そこにあるのは。本物の郷愁ではなく。都会育ちのロニーだから持ちえた、描きえたまぼろしではなかったかと。
まぼろしだから。まぼろしだからこそ。美しくて。優しくて。温かくて。でも切なくて。儚くて。どこにもなくて。
勿論、まぼろし故に求めたであろう、愛したであろうロニーの想いも含めて。とっても好きなんですけどね。
どれくらい好きかって。涙が滲むって解ってても針を落として。解っててもやっぱり・・・ほら、ねってくらいかな。
まぼろし。
そう。まぼろし。
目の前には。
身の周りには。
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