下がってる時の方が

 株の取引を始めて一ヶ月半が経った。

 現物しか扱えない、株式経験一ヶ月半の自分にとって、現在の相場は不利なハズなのだが、なぜだろう、むしろ下がっている時の方が儲けが多い。結局、消極的な性格がこの世界にも反映されるのだろう。

 こういう訳だ。

 自分の買った株の評価額が上がると、僕は無性に焦る。なんだか今しか儲けるチャンスがないような気がする。だから二千円分でも上がると、手数料を引いても千五百円ぐらい儲かるなどと頭で計算して、直ぐ売ってしまう。売らないと落ち着かないのだ。
 だが下がっている時は別だ。評価額が二万円も三万円も下がると、急に頭が冴えてくる。自分の持っている株が今どういうトレンドにあって、数日後にはどうなるのか、はっきり見えてくる。しかもそれがことごとく当たる。
 だから日経平均株価が下がっている時の方が儲けやすいのだ。長期で持っているつもりだった株の評価額が暴落すると、急に自分の持っている株が冷静に見えてくるから。だからデイトレやスイングトレードで株を買い足して、結局、儲けてしまう。例えば、800円で買った株が700円まで下がったら、700円で買い足して、買い足した分だけを720円で売って……。これを繰り替えして、結局、儲けてしまうのだ。
 もちろん、トータルはマイナス。それもあり得ないくらいの度マイナスなのだが、それでも上昇トレンドの時よりは儲かっていると思う。よく考えれば、自分のような気の弱い人間は日経平均株価が前日差二百円以下にならないと怖くて買えないし、五十円以上になるとまた怖くて直ぐ売ってしまう。だから、上昇トレンドの時は儲かるはずがないのだ。

 これは実生活が反映されているのだと思う。今まであんまりいいことがない、社会の主役になったことがない自分にとって、『いい調子』に乗っている自分は、あり得ない存在なのだ。だから無意識のうちに大儲けしそうな自分を否定してしまうのだと思う。
 だが底辺にくれば別だ。少なくとも犯罪者にはなるまい、餓死だけはするまい、そう思い続けてきた自分は、底辺にくると途端に頭が冴え、急に『一番底』が見えてくる。するとそこからはい上がることに快感を覚える……。
 うーむ、株は、人生観をも反映させるものらしい。若干、いじけ気味と人に言われるこの性格を、上手く生かす方法はないものだろうか。

経済・政治・国際
2006/09/26




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